バンクーバーの「ブリティッシュ・コロンビア大学(University of British Columbia、UBC)」(住所)の第15代学長に8月15日、日系2世の小野三太さんが就任した。任期は5年。
日本から移民してきた両親の下、バンクーバーで生まれた小野さんは、実験医学のパイオニア的存在でもある生物医学の研究者で、北米の研究施設で活躍してきた数少ないアジア系研究者の一人。米シンシナティ大学学長の在任中には同校が過去最高の学生数を記録し、ワシントンセンターから「ベスト公立大学」に選ばれるなどの功績を収めている。
小野さんは、大学教育におけるソーシャルメディアを使った教育でも広く知られており、ツイッターのフォロワー数は7万6500以上。キャンパスとコミュニティーとのつながりを通して、多くの人の心をつかみ、教育や研究への興味をより高めてきた。父親である数学者の小野孝さんもUBCで数学を教えていた経歴を持つ。
小野さんは「世界有数の大学を代表する立場に就くことになり、大変恐縮している。UBCはスタッフも学生も最高レベルを誇り、環太平洋地域という特異な立地条件から多様性に富み、持続可能なキャンパスになっている。真の意味でグローバルな大学として、多くの人が憧れる場所としてあるべき姿を明らかにする手助けができるまたとない機会を満喫したい」と抱負を語る。
同大学理事会のStuart Belkin理事長は「私たちを常に鼓舞し、挑戦し続ける明確なビジョンを持ったリーダーを見つけることができて喜んでいる。UBCは100年以上の歴史を有し、最新の研究を行い、問題解決ができる未来の人材を養成してきた。小野博士は学生たちの理想的な見本であり、革新的な精神を形にしたような人」とたたえる。