バンクーバー・マウントプレザント地区の鍋専門店「鍋奉行」（3190 Cambie St., Vancouver、TEL 604-710-5039）が、「一人でも鍋料理を楽しめる」と口コミで評判が広がり、順調に客足を伸ばしている。

女性に人気の「ごまみそ豆乳鍋」（昼＝13.95カナダドル、夜＝16.95カナダドル）

　「鍋奉行」という店名通り、「来店客一人一人が好みに応じた鍋料理を自分で作って食べる」という「DIY形式」で各メニューを提供するのが特徴。1550平方フィートの店内は、オーナーの小峠哲也さんが提案した「U字型」の広々としたカウンターエリアを中心に、黒と白を基調としたシンプルなデザインで、カウンターとテーブル席を合わせて36席を設ける。

　小峠さんは「バンクーバーは、居酒屋やラーメンなどのブームを通じて日本の食文化が定着してきたが、鍋料理の専門店はまだなかったところに以前から目を付けていた」と、オープンのきっかけを説明する。「一つの鍋を皆でつついて食べるスタイルに抵抗があるカナダ人が結構いると感じたので、『一人用鍋』として出せるようにした」と明かし、「基本となるだし汁は、しっかりと研究を重ね、味がぶれることのないように長い時間をかけて作り上げた」と自信を見せる。

　6月のオープンから1カ月もたたないうちに、「ランチとディナーで1日2回来店してくれるほど気に入ってくれた人もいた」という。「日本の『すき焼き』は結構知られていても、『しゃぶしゃぶ』の認知度はまだ低く、初めて来店した人には最初にきちんと作り方、食べ方を説明する必要がある」とも。「つけだれを最初から鍋に全部入れてしまおうとする人がいて、慌てて止めに入ったこともあった」と苦笑する。

　「鍋料理は野菜もたっぷり取れてヘルシーという点で人気が出ていると思う」と小峠さん。定番メニューの「すき焼き（関東風）」「しゃぶしゃぶ」（以上、昼＝12.95カナダドル、夜＝15.95カナダドル）をはじめ、全10種の鍋メニューをそろえる。女性には「ごまみそ豆乳鍋」（同＝13.95カナダドル、同＝16.95カナダドル）、男性には「トマトカレー鍋」（同＝14.75カナダドル、同＝17.75カナダドル）などの変わり種もよく出ているという（夜はアイス付き）。

　小峠さんは「お客さまがハッピーになってもらうのが第一。うちの鍋を食べて、値段も味もサービスも全てにおいて得したなと思って帰っていただけること」を店の目標に掲げる。スタッフにも「どんなお客さまが来ても、自分の大親友が来たかのように心からサービスするように。お客さまに喜んでいただけるためには自分に何ができるかを考えて動いて」と声を掛けているという。

　営業時間は、昼（火曜～金曜のみ）＝11時30分～14時30分、夜＝17時30分～21時30分。月曜定休。