バンクーバー郊外にある総合スポーツ施設「Fortius Sport&Health」( 3713 Kensington Ave. Burnaby)で12月1日、元なでしこジャパンで現在シカゴ・レッドスターズ所属の永里優季選手、MLSトロントFC所属の遠藤翼選手、元日本代表で現在USLバーミンガム・レギオンFC所属の小林大悟選手の現役3選手が現地の子どもたち向けにサッカー教室を開催した。Sea To Sky Soccer Clinicの主催。
8歳から13歳までの男女合わせて38人が集まったサッカー教室。基礎的なボールさばきやテクニックに合わせてゲーム形式で練習し、気温が2度程度という寒空にもかかわらず、約2時間半元気にボールを追い掛けた。
練習の後には短いトークセッションを開催。来場者からは「海外でプレーして得られること」「プロのサッカー選手になるには」などという質問があり、各選手の「得られるものは世界中からの仲間」という言葉にうなずき、「プロになるという強い気持ちが必要」「サッカーノートに気付いたことをとにかく書き留める」などの答えに真剣に聞き入った。「ジャグリングは何回できますか?」という質問もあり、小林選手の「3500回できたことがある」という答えに子どもたちが感嘆の声を上げる場面もあった。
バンクーバー・ホワイトキャップスにも所属していた小林選手は「来た当初は戸惑いも多かった北米生活も7年目になり、日本人選手として自分にしかできないことなども分かってきた。今は若い選手に教えることも増えて楽しめている」と話し、「(以前住んでいた)バンクーバーでサッカー選手を目指す子どもたちにプロと触れ合う機会をつくれたら、と思い両選手に声を掛けた」と今回の教室開催の経緯を話した。
2019年シーズンはNWSLリーグファイナルに進出し、MVP候補にもなる活躍を見せた永里選手は「海外に出て10年目だがヨーロッパとアメリカの違いも含め楽しめている」と話し、「とにかく挑戦していたヨーロッパ時代に比べ、アメリカに来てからはサッカー以外の部分も楽しめるようになった。結果パフォーマンスも上がってきた」と充実したアメリカ生活を語った。
同じくトロントFCがMLSファイナルに進出した遠藤選手は「北米でプロとしてやっている日本人はまだ少ない。自分が活躍することで日本人選手の存在感も強めていきたいし、日本の人には少しでも北米のリーグにも興味を持ってもらえれば」と話した。
海外生活が長い各選手だが、小林選手は「海外には出なければ分からなかったこともある。(若い人たちには)挑戦できるならどんどん出てみてほしい」とエールを送り、永里選手も「海外に出て日本のことを再認識したし一層好きになった。旅行と住んでみるのとは違うので機会があれば挑戦して、と言いたい」と同意。大学からアメリカを選んだ遠藤選手は「何かを犠牲にしても行きたいくらいの強い気持ちがあれば挑戦するべき」とし、「日本を出る前に自分の目的を明確にすることも成功するために必要だと思う」とアドバイスを送った。
終了後は子どもたちからのサインや写真撮影の要望に応え続けた3選手。「楽しかった。また開催したい」と笑顔で感想を述べた。