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バンクーバーの人類学博物館再開 カナダに残る制度上差別を訴える

「The Daddies. By Kent Monkman, 2016」(写真提供=MOA)

「The Daddies. By Kent Monkman, 2016」(写真提供=MOA)

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 バンクーバーのブリティッシュコロンビア大学にある「The Museum of Anthoropology(人類学博物館)」(6393 NW Marine Dr. Vancouver)で8月6日から、先住民族アーティストのケント・モンクマンさんによる展示「Shame and Prejudice: A Story of Resilience(恥と偏見:回復の物語)」が始まる。

展示作品

 クリ―系のアーティスト、モンクマンさん自身がキュレーターを務める同展示。過去150年に渡るカナダの植民地主義を批判し、世界各地でシステマティック・レイシズム(社会構造上にある差別)問題に関心が広がるなか、先住民族の視点から見たカナダの歴史に焦点を当てる。モンクマンさん制作の絵画や彫刻と国内の美術館、博物館、個人所蔵のコレクションなどから厳選した80点以上を展示する。

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 モンクマンさんは「この国の先住民族にとって、この150年は最も辛い時代であった。それなのに歴史的な絵画のなかに先住民の経験したことを表す作品が見つけられなかった。熱意と同情を持って先住民族たちが経験した強奪、飢餓、幽閉、虐殺を描いた19世紀の絵画はどこにあるのか」と話す。「この展示が人々にとってヨーロッパからの入植者たちが先住民たちに与えた影響とその後の立ち直りに関する対話のきっかけとなるだろう」とも。

 展示は架空のチーフ「Miss Chief Eagle Testickle」の語りを通してタイムトラベルをする様にカナダの歴史を先住民の視点で辿る趣向。カラヴァッジョのリアリズム、マネの印象主義、ピカソのキュービズムなどを引用した絵画作品、彫刻などから豊であった先住民の暮らしの時代から入植と毛皮貿易、同化教育、困窮するコミュニティー、そして回復を求める人々の姿までを風刺とブラックユーモアを込めた作品群で描く。

 同展は2017年にトロント大学美術館を皮切りに3年をかけてカナダ全土を巡回。今回のバンクーバーでの展示が最終となる。

 入館は予約制で入館時間を定めたチケットをサイトで販売。開館時間は火曜~日曜=10時~17時。月曜定休。入館料は一般=18カナダドル、学生・シニア(65歳以上)=16カナダドル、6歳以下=無料。来館者にはマスクの着用を推奨する。2021年1月3日まで。

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