バンクーバーのダウンタウン、ウエストエンドエリアに12月18日、現地在住の日本人親子が経営する「93 Coffee」(1789 Comox St. Vancouver)がオープンした。
店主は約10年前に子ども4人を連れてバンクーバーに来た川井久美さん。「1年の滞在予定だったが、現地が気に入り残ることを決めた」と当時を振り返る。「日本でも飲食店を経営していたので、こちらでも起業できればと考えていた。物件を探し始めていた頃にコロナ禍となったためいったん計画を休止。ようやく開業にこぎ着けた」と喜ぶ。
当初は川井さん一人での起業を考えていたが、パンデミックの間に高校を卒業し、ビジネス専攻の大学生となった長男の凜太朗さんも共同店主として経営に加わることになった。川井さんは「仕入れ先との交渉やコスト管理などを含め、大学で学んだことの実践を兼ねて任せている」と頼りにする。凜太朗さんは「学業との両立は大変だが楽しんでいる。開店した今はサーバーとしてお客さまに接するのも楽しく、オープン数日は休憩を取るのも忘れたほど」と笑顔を見せる。
メニューは川井さんが子どもたちの意見も聞きながら決め、ハンバーグなども自ら仕込む。トーストは「日本と同じ厚切りを出したかったので」(川井さん)店内で焼く厚切りを提供する。11時まではコーヒーなどの飲み物とトーストやおにぎり、卵料理やスープ、サラダなどをセットとしたモーニングスペシャル(16.50カナダドル~)を提供。11時からはオムライス、ナポリタンスパゲティ(以上16カナダドル)、カレーライス(15カナダドル)、ハンバーグ定食(19カナダドル)などを提供する。
1850スクエアフィートの広々とした店内はシンプルで明るい雰囲気の内装に仕上げた。川井さんは「コーヒーとモーニングセットがあり、クリームソーダがあり、ナポリタンがあるような、日本の喫茶店を目指した。常連の方が集まってゆっくりしていってもらえる店になれば」と意気込みを話す。凜太朗さんは「日本人が大切にしている丁寧なサービスをバンクーバーで提供していきたい」と話す。
営業時間は8時~19時。