中原想吉監督による映画「ライフ・イズ・クライミング!」がバンク―バーのVIFFセンター(1181 Seymour St. Vancouver)で6月3日から上映される。Momo Films Inc. とSYNCAの共同配給。
全盲のクライマー小林幸一郎さんがサイト(視覚)ガイドの鈴木直也さんと共に、米ユタ州にある砂岩フィッシャー・タワーズの尖塔(せんとう)に立つことを目指す旅を追うドキュメンタリー作品。「コバちゃん(小林さん)をあの岩の上に立たせたい」という鈴木さんの思いから始まった挑戦と2人の絆をユタ州の広大な自然の中で撮影した。途中鈴木さんが以前留学していたコロラド州のカレッジを訪問したり、エベレストの頂上に到達した初の全盲クライマーであるエリック・バイエンマイヤーさんや、2人が親交のある友人たちとの会話を入れたりしながら、2人の前向きで温かい人となりも紹介する。
クライミングシーンでは、クライミングカメラマンとドローンパイロットの協力を得て臨場感のある映像に仕上げた。中原監督は「パンデミックの影響もあり順調に進まないこともあった撮影だが、その分時間をかけて2人の関係を追い、クライミングを愛し楽しんでいる2人のロードムービーを完成させた」と話す。
小林さんは「この映画は自分ではなく直也の映画」と鈴木さんの友情と情熱を称える。鈴木さんは「視覚障害者がチャレンジする映画というのでは全然ない」と前置きし、「クライミングを楽しんでいるコバちゃんを見てほしい。自分はいつも通りにしているところを撮られていただけなので」と振り返る。
6月3日、4日の上映には中原監督、小林さん、鈴木さんが登壇予定。4日の18時20分上映回は視覚障害者のための英語音声ガイド付きで上映する。
料金は、一般=15カナダドル、シニア(65歳以上)=13カナダドル、学生・アクセシブル(19歳以上)=10カナダドル。6月9日まで。