バンクーバー水族館海洋生物保護センター(VAMMR)が7月18日、今夏2匹目のラッコの赤ちゃんを保護したと発表した。
三日月型のビーチで発見されたため「ルナ」と名付けられた雌の赤ちゃんラッコ。トフィーノ近郊のバーガス島海岸でまだへその緒がついた状態で鳴いているところを発見された。体重がわずか1.58キロほどで周囲に母親ラッコの存在が認められなかったためVAMMRによる保護が決まった。
赤ちゃんを発見したのは同センターでラッコのリハビリテーションボランティア経験がある人物。同センターに連絡し海洋漁業省の協力の下、センタースタッフのチャーター便飛行機が到着するトフィーノまで赤ちゃんラッコを徒歩と船で無事に運ぶ活躍を見せた。同センターのエグゼクティブディレクター、マーティン・ハウレナさんは「今回の保護はコミュニティーの皆さんとボランティア、そして当センターの強い連携と協力で実現した」と喜ぶ。「依然危機的状況にあるこの小さな赤ちゃんの生存はわれわれの24時間体制の集中ケアにかかっており、現在スタッフが1時間半ごとに授乳するなどベストを尽くしている」とも。
同センターでは6月18日に別の赤ちゃんラッコ(トフィーノと命名)を保護したばかり。2匹の赤ちゃんラッコを同時にケアするのは60年以上の同センターの歴史でも初めてのこと。VAMMRシニアマネジャーのリンゼイ・アクハーストさんは「同時に2匹の赤ちゃんラッコをケアするのは物理的にも経済的にも負担が大きく、特注の食糧や医療費、人件費など増大するコストを多くの方からの寄付で賄っている」と感謝を表し、「地域で唯一の海洋生物保護センターとしてルナやトフィーノのような生物に適切なケアを続けるために今後も随時寄付を受け付ける」と引き続き協力を呼びかける。