バンクーバーのイエールタウンにあるラウンドハウス・コミュニティーセンター(181 Roundhouse Mews, Vancouver)で10月11日から3日間、「バンクーバー・アウトサイダーアートフェスティバル(Vancouver Outsider Arts Festival)」が開催された。主催はCommunity Arts Council of Vancouver (CACV)。
今年で8回目となった同フェスティバルはカナダで唯一のアウトサイダー・アートフェスティバル。アウトサイダー・アーティストについて、CACVのピエール・レイチナーさんは「アートスクールや大学で芸術教育を受けることができたり、アートディーラーやギャラリーなどの援助を受けて芸術活動を続けられたりする『インサイダー・アーティスト』に対して、正規の芸術教育を受けず社会的、経済的、健康などの理由から資金やリソースに不足し発表の機会に恵まれないアーティストたち」と説明。「彼らの存在を知ってもらい作品を展示する場を設ける。さらにアーティスト同志の交流を広げるためにもフェスティバルは大変意義がある」と話す。
今年は先住民出身や2SLGBTQIA+コミュニティーに属するアーティスト、独学でアートを学びストリートでの展示を中心に活動しているアーティスト、メンタルヘルスの問題を持つアーティストなど56人が参加し作品を展示したり、パフォーマンスアートを披露したりした。レイチナーさんは「アウトサイダー・アーティストが一堂に会するカナダで唯一の機会。多くの人の協力のもと今年も開催できたことに感謝したい」と展示作品を前にほっとするかのような笑顔を見せた。