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バンクーバーのアジア映画祭で日系写真家のドキュメンタリー上映

ドキュメンタリー「Between Pictures: The Lens of Tamio Wakayama」(シンディ・モチヅキ監督)の一場面(写真提供=VAFF)

ドキュメンタリー「Between Pictures: The Lens of Tamio Wakayama」(シンディ・モチヅキ監督)の一場面(写真提供=VAFF)

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 2018年に亡くなった日系人写真家のタミオ・ワカヤマさんを題材とするドキュメンタリー「Between Pictures: The Lens of Tamio Wakayama」(シンディ・モチヅキ監督)がバンクーバーのインターナショナル・ビレッジ・シネマ(88 West Pender St. Vancouver)で11月8日、上映される。バンクーバー・アジア映画祭(VAFF)の一環。

シンディ・モチヅキ監督

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 バンクーバーを拠点に活動するアーティスト、シンディ・モチヅキさんが監督する同作品。ブリティッシュ・コロンビア州で生まれ大戦中の強制収容所生活の後、オンタリオ州に家族と移住したワカヤマさんが、大学生の時に米国の黒人公民権運動の組織、学生非暴力調整委員会(SNCC)にフォトグラファーとして参加、その後バンクーバーで日系コミュニティーの一員として日系人の祭り「パウエル祭」の写真を撮るようになった経緯と彼の人となりを、友人たちの証言や残された写真、モチヅキ監督によるアニメーションを通して追っていく。

 「個人的にワカヤマさんを知っていたわけではないのだが、彼の名前はパウエル祭の写真を通して知っていた」と話すモチヅキ監督。「パンデミック中にアジア人への反感が高まった際、日系人の歴史を若い人にも伝え過去から学ぶ必要性を強く感じたのだが、その方法を模索している時多くの人からパウエル祭で活躍したワカヤマさんのことを聞いた。彼の写真を見て活動を知るうちにもっと多くの人に知ってもらいたいと考えた」と映画制作のいきさつを話す。

 これまでマルチメディアインスタレーションなどのアート作品は多く制作してきたモチヅキ監督だが映画製作は今回が初めて。「米国での公民権運動を通して日系人としてのアイデンティティーを再認識、生まれ故郷に戻り日系人のコミュニティーを確立しようと思ったワカヤマさんの旅路を思うと映画という形が最適となった」と振り返る。

 監督は「彼は写真家として成功しようと撮り続けたのではなく、コミュニティーの一員として写真を撮り貢献し続けた結果、大きなものを私たちに残した。そのような彼の姿を見て何か感じてもらえれば」と期待を寄せる。

 16時上映。チケットの価格は、一般=20カナダドル。学生・シニア=12カナダドル。

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