オッペンハイマー公園(400 Powell St, Vancouver)で8月6日、カナダ日系博物館とカーネギー・コミュニティー・センター主催による「第2回パウエル・グランド野球大会」が開催された。
同大会は、第二次世界大戦前に活躍した日系野球チーム「バンクーバー朝日」を記念し、昨年から実施されている。2回目となった今回、ストライキにより主催者のカーネギー・コミュニティー・センター側スタッフが参加しないというハプニングがあったが、事前に応募のあった参加者を中心に35人の選手が2試合の交流戦を行った。
バンクーバー朝日は1914年から1941年のおよそ30年にわたり、バンクーバーのシニアリーグで多くの勝利を収めた日系コミュニティーの野球チーム。人種差別や偏見に苦しんでいた当時の日系コミュニティーに誇りと功績をもたらした。
朝日は2003年にカナダ野球にも殿堂入りし、2005年にはバンクーバーでブリティッシュコロンビア・スポーツ殿堂入りも果たしている。戦争により解散を余儀なくされたが、今でも日系コミュニティーが多く集まるパウエル周辺では、彼らに対する尊敬の念は深い。
同大会にも朝日の元選手の家族や、朝日の功績を知り興味を持った人など、老若男女を問わず参加し、野球の試合のほか当時の資料の展示会なども行われた。会場となったオッペンハイマー公園も朝日のホームグラウンドだったことから、参加者の家族など選手を含めて80人が駆け付けた。
大会中はヒットを放つ金属バットの音と来場者の歓声が響き渡り、バンクーバー朝日の懐古とともに交流戦が和気あいあいと繰り広げられた。バンクーバー朝日の功績を称え5月19日~11月4日、バンクーバー博物館(1100 Chestnut St, Vanier Park)で「バンクーバー朝日野球チームの遺産」展が開催中。