ダウンタウンにあるビクトリー・スクエア(West Hastings Street、Cambie StとHamilton Stの間)で11月11日、戦没者を慰霊する式典「リメンバランス・デー・セレモニー」が開催された。
カナダでは、1918年に第一次世界大戦が終結した11月11日を、戦没者を慰霊する「リメンバランス・デー」とし、毎年、同スクエアやスタンレーパークなど各地で追悼式典が行われている。
当日は雨が降りしきる中、退役軍人、海軍や陸軍隊、消防音楽隊などの行進が次々と行われた。同スクエア周辺には、戦没者を追悼しようと胸に赤いポピーのブローチを付けた多くの人が参列し、カナダの国家である「O CANADA(オー・カナダ)」を斉唱した。
厳かに式が進む中、参列者らは戦没者を慰霊すると同時に、アフガニスタンに派遣されたカナダ兵士の安全と戦死した兵士のめい福を祈るため、11時に2分間の黙とうを捧げた。その後も、「フランダースの野に(In Flanders Fields)」の斉唱や「ポピー(Poppies)」の詩の朗読など、セレモニーは約1時間半にわたった。
戦没者記念碑前には、ポピーの花冠や白いバラなどが献花され、式の終了と同時に参列者らは胸に付いたポピーのブローチを花冠にたむけた。参列者のひとり、Jeanさんは「親せきの中に戦争で亡くなった人がいたことと、来月100歳になる義理の母も戦争時代を生き抜いた人。今日は敬意を表しに来た」と話した。Sydney Searyさん(92)は「6年間戦争に行った時の事を、今でもしっかり覚えている。戦没者を忘れないためにセレモニーを行うことは大事なことだと思う」と話し、多くの参列者らがSydneyさんに敬意を表し握手を求める姿が続いた。