1907年9月7日に起きたアジア人に対する暴動100年を記念するキャンペーン「Anniversaries of Change」が9月7日、バンクーバー市内各地で行われる。
同キャンペーン・イベントは、日系、中国系企業、歴史協会などから構成されるコンソーシアム(共同企業体)が、「多文化なカナダと正義を探求するため、2007年を記念の年に」と企画した。当日は、日系、中国系、南アジア系カナダ人、労働組合、先住民アボリジニーなど5つのコミュニティーが「アジア系カナダ人がカナダにもたらした変革の強調」「いかにカナダ社会が多民族国家となったかの世代や文化を超えての論議」「人種差別との戦いで得た教訓を広め、学ぶため」を目的に、100周年を記念して集会を開く。
SFU(サイモンフレイザー大学)ハーバーセンターでは2日間にわたり、ビクトリア大学、サイモンフレイザー大学、ブリティッシュコロンビア大学が提供する学術的イベント「1907年人種差別暴動から今日(こんにち)まで-カナダの百年」を開催。さまざまな側面から見た1907年の暴動、差別、偏見、移民などについてパネルディスカッションやリサーチの発表を行う。
そのほか、暴動の起きたチャイナタウンや旧日本人街にあり、当時、アジア人に深い意味を持っていた日本人学校などの建物を訪ねながら歩く「Riot walk(暴動ウオーク)も実施。ウオークを率いるのは、「Reading the Riot Act」の作家、マイケル・バーンホールデンさんと、CBC(カナダ放送協会)のマーガレット・ガラナーさん。同エリア内のガシェットギャラリーでは同日19時より、3カ月間のアートプログラム「The Work Of Migration」(移民たちの作品)が始まる。24人のアジア・南アジア系アーティストが移民、差別、移住に関係したトラウマや精神的な問題を写真、フィルム、論争などとさまざまな形で表現するコンテンポラリーアートを展示する。中華料理店「フロータ」では調和のための記念ディナーも提供。ディナー以外のイベントはすべて参加無料。
100年前の9月7日、労働者の日に行われた数千人からなる市役所への行進が、反アジア人同盟によるチャイナタウン、日本人街への示威行進、投石などに端を発して大規模な暴動に発展。両タウンと人びとに大きな損害と傷跡を残した。
バンクーバー労働議会のビル・サンダース会長は「1907年に起った、アジア系カナダ人に対する、ひどく不当な扱いは、2度と過去の過ちを繰り返さないためにも、もっと論議され、理解されるべきだ」とコメントしている。