中古自転車を人力製粉機に-バンクーバーのNPO団体が実用化

バンクーバーのベーカリー前で、中古自転車を利用して作った「人力製粉機」のデモ実演が行われた。

バンクーバーのベーカリー前で、中古自転車を利用して作った「人力製粉機」のデモ実演が行われた。

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 バンクーバーの自然食品愛好家に人気のベーカリー「Terra Breads」(53 West 5th Avenue, Vancouver、TEL 604-873-8111)で4月18日、中古自転車を再利用して作った「Pedal-powered grain mills(人力製粉機)」のデモ実演が行われ、道行くサイクリストたちの注目を集めた。

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 同機を製作したのは、バンクーバーで自転車の再利用促進活動に取り組むNPO団体「PEDAL(Pedal Energy Development Alternatives)」。1999年の設立以来、自転車修理教室の開催や、中古自転車を新品同様に修理して恵まれない環境にある人たちに寄付する地元での取り組みにとどまらず、自転車の部品を使って人力で動くさまざまな機械を作って海外の農村地帯に提供するなど幅広い活動を展開している。

 同団体のメンバー、Johannさんは「今日ここに持ってきた機械は、実際にグアテマラの女性たちが、いろいろな穀物を粉にして鶏の餌にするために使っているものと同じ型。4分間ペダルをこぐことで約1キロの粉をひくことができる。従来の製粉機を使った手でレバーを回しての長時間の粉ひき作業は大変なものだったが、足でペダルをこぐ形に改良したことでかなり効率アップし、作業が楽になったと喜ばれている」と話し、「ほかにも同様のコンセプトで給水ポンプや洗濯機、発電機、人力のこぎりなどありとあらゆる機械を作ってきた。必要なのは人間がこぐ力のみ。排気ガスが出ることもないので究極にエコ・フレンドリーな機械だし、仕事をしながら体もフィットするなんて最高な組み合わせ」と笑顔を見せる。

 現在バンクーバーで開催中の「桜祭り」の一環として行われたスローライフ促進プログラム「Bike the Blossoms(お花見サイクリング)」内で企画された今回のイベント。当日は約600人の参加者たちがあらかじめ準備されたコース途中のカフェなどで休憩を挟みながら、沿道の桜を楽しんだ。

 実際に製粉する作業を体験したChristineさんは「自転車がこんな風に利用できるとは思ってもみなかった。ペダルをこぎながら、ついつい楽しくなってしまって作業がどんどん進みそう」と奇抜なアイデアに興味津々。「気温も上がって花見日和になって良かった。友だちとのおしゃべりを楽しみながら自転車に乗って街を探検して、今まで知らなかったスローフードの店も発見できた。いい運動にもなって、今日はとてもヘルシーな気分」と満足げな表情を浮かべた。

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