古着やアンティーク、アートギャラリーなどの個性的な店舗が集まるバンクーバーのメーンストリートにある中古レコード店「Neptoon Records & CD’s」(3561 Main Street, Vancouver、TEL 604-324-1229)で4月18日、レコードショップの祭典「Record Store Day」を祝うイベントが開かれた。
昨年4月にアメリカ全土のインディペンデント・レコード店で初めて開催された同イベント。レコード店に直接足を運んでCDやレコードを実際に手にして買う面白さを、再び多くの人に味わってもらおうと企画された。2回目となる今年は、ヨーロッパ各地や日本を含むアジア諸国など計17カ国で1,000店舗以上が参加を表明し、世界同時開催することになった。
同店では、今回のイベント限定でリリースされるシングルやアルバム作品を店頭に取りそろえたほか、店内の全商品をセール価格で販売。13時から始まった地元バンド6組による無料ライブでは、集まった客が店内に入りきれず、会場の熱気が路上まであふれた。あまりの騒音に近所から苦情が出て、警察が出動する場面も。
特別ゲストとしてロサンゼルスのインディーズバンド「100monkeys」が最後に登場すると、待ち構えていたファンからは悲鳴にも似た歓声が上がった。同バンドに所属するJackson Rathboneさんは、現在日本で公開中の映画「トワイライト~初恋~」に主人公の弟、Jasper Hale役で出演しており、次回作の撮影でバンクーバー滞在中だったことから今回のイベント参加が実現。パフォーマンス終了後は、サインや写真撮影にもにこやかに応じ、閉店時間を過ぎても行列が途絶えなかった。
Jacksonさんは「自分たちの演奏を聴くために今日来てくれたファンの子たちが、どうしてもマイナーな存在になりがちな地元の小さなレコードショップの存在を知るきっかけになってもらえたなら、今回のライブの意味があったといえる」と話し、「インターネットが普及したために楽曲でも何でも簡単にクリックするだけで手に入るようになってしまった。レコード店を訪れて、店員や偶然隣に立ったほかの客との会話を楽しみながら気に入った曲を探すほうが、人と人との触れ合いがあって温かみがあるのでは」とレコード店の魅力を語る。
同店オーナーのRobさんは「昨年はレコード・ストア・デーの存在について知った時期が遅かったため、特別なイベントを企画することができなかった。今年は何か盛大にしたいと計画を立ててきたので、成功してほっとしている。たくさんの客が集まってくれたので、毎年恒例のイベントにしたい」と来年への期待を膨らませる。