バンクーバー・ダウンタウンにある「Vancouver Convention Centre」(1055 Canada Place, Vancouver)で6月12日~14日、アニメフェス「Anime Evolution(アニメ・エボリューション)」が開かれ、地元の日本アニメ・ゲームファン5,000人以上を動員するにぎわいを見せた。主催はAE Convention Corp。
同イベントは、1998年にサイモン・フレーザー大学で日本のアニメを紹介する1日限定のイベントとして開かれた「アニメ・ショーケース」をきっかけに、2002年には一般向けのアニメ・コンベンション「Anime Evolution(アニメ・エボリューション)」として3日間のイベントに拡大した。今年で7回目の開催となる。
同会場はバンクーバーのランドマークとして知られる「カナダ・プレース」に隣接するため、思い思いのコスチュームに身を包んだ参加者たちの姿は、ツアーバスやクルーズ船に乗った観光客らの注目を集めた。会場周辺のレストランやカフェもアニメやゲームのキャラクターたちであふれかえり、異様な光景に目を丸くする一般客の姿も。
イベント期間中は、アニメ声優たちを迎えての講演会やワークショップ、「ワンピース」「新世紀エヴァンゲリオン」など人気アニメのビデオ上映、ガンダム模型コンテスト、ロリータ・ファッションショーをはじめ、「遊戯王」カードゲームコーナーやカラオケコンテスト、ダンスパーティーなどさまざまなプログラムが行われた。ライブ会場には、日本からのインディーズバンド「MinxZone(ミンクスゾーン)」も登場。片言の英語と持ち前の明るいパフォーマンスで会場を盛り上げた。
コスプレコンテストでは、カムループスから参加したアニメクラブのメンバーが、ステージ上でプロポーズする場面もあり、会場から温かい拍手と声援が送られた。子どものころから大のアニメファンでコスチュームのほとんどを手作りしているというKellyさんは「いきなりのことで驚いた。アニメやゲームを通して互いの関係も深まったし、毎年このイベントに参加することも楽しみの一つ。結婚して子どもができたら今度は家族でコスプレして来るかも」と、もらったばかりの指輪と目に涙を光らせながら笑顔で話していた。
広報担当のJason Rakoさんは「今年は新しく完成した広々としたコンベンションセンターで開催することができたので、会場設営やスムーズなプログラム進行が可能になり、とても良かった。バンクーバーでのアニメ人気はとどまる所を知らず、年々参加者が増えている。来年は7,000人以上の参加者が集まるよう、さらにイベント内容も工夫していきたい」と話し、「アニメファンのイメージとしてどうしても『オタク』『暗い』という先入観が付きまとってしまうので、このイベントに参加していろいろな面からアニメ文化を理解してもらえればうれしい。来年は8月に開催予定なので、日本発のアニメやゲーム文化がカナダでどのような形で受け入れられているかを確かめに、多くの日本の人たちにも遊びにきてもらえれば」と呼び掛ける。