UBC(The University of British Columbia=ブリティッシュコロンビア大学)のCentre for Japanese Research(日本研究センター)は9月19日~21日、メーンキャンパス(1871 West Mall, Vancouver)とロブソンキャンパス(800 Robson Street, Vancouver)の2カ所で漫画家、竹宮惠子さんを招きサイン会と講演会を開催した。同センター15周年記念行事の一環。
ロブソンキャンパスで21日に行われた講演会では、学生ら約100人が集まった。竹宮さんは、ステージ上のスクリーンに漫画を映しながら、当時の時代背景や少女漫画の流行、少年を中心に描くようになった自身の作風の変遷などを話した。「かわいい少女が描けなかった」と竹宮さん。スランプを経て、少年だけを描くようになった経過を語った。参加者はスクリーンに映し出される絵を見ながら、竹宮さんの話に聴き入っていた。竹宮さんは「私の作品をよく読んでいて、内容を詳しく知った上で質問をしてくれる学生もいた。日本とカナダでの違いは全然感じなかった」と感想を話した。
竹宮さんは1968年にデビュー。以来、SF、歴史、コメディーなどジャンルを問わず描き続けてきた。少年を主人公に登用する作品の多いことが特徴で、現代少女漫画の美少年像形成の一端を担っている。代表作は少年同士の恋愛を描いた作品「風と木の詩」、SF作品「地球へ・・・」など。海外での講演は2回目。現在は、京都精華大学マンガ学部の教授も務めている。