カナダを訪問中の天皇皇后両陛下はカナダ東部の訪問を終え、7月12日、バンクーバー国際空港に到着し、空港から10分ほどの距離にある2010年冬季五輪スピードスケート会場のリッチモンド・オーバルでの式典に出席した。
会場外に設置された式典場所周辺には、熱い日差しが照りつける中、リッチモンド市が日系コミュニティーを通して招待した日系カナダ人約500人と集まった市民など1,000人以上が両陛下の姿を一目見ようと集まった。
式典はスティーブストン寺太鼓による「阿修羅」「祭り」などの演奏で始まり、先住民「Musqueam Nation」による歓迎のスピーチとパフォーマンス、リッチモンドの合唱団「Richmond Honor Choir」が歌を披露した。会場内ではカナダ五輪チームによるスピードスケートのデモンストレーションが行われた。
会場外から会場内、出発する際など両陛下はゆっくり歩を進め、度々立ち止まっては「こちらに住んでいるのですか」「どちらの出身なのですか」と集まった日系カナダ人らに声をかけられた。リッチモンドに住むシニアの一人は「もう思い残すことはない」「日本にいても一生お会いできるかも分からないのにここで会えるとは」と感動を表した。
当日、両陛下は五輪会場を後にし、国際空港へもどりバンクーバー島、ビクトリア市に向かい、滞在後12日から再度、バンクーバーを訪問する。