独仏中合作映画「John Rabe」、バンクーバー国際映画祭で上映

バンクーバー国際映画祭で独仏中合作映画「John Rabe」が上映され、670人近くが鑑賞した。

バンクーバー国際映画祭で独仏中合作映画「John Rabe」が上映され、670人近くが鑑賞した。

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 開催中のバンクーバー国際映画祭で10月14日、独仏中合作映画「John Rabe(ジョン・ラーベ)」が上映され、Florian Gallenberger監督も来加、上映後、質疑応答に応じた。

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 同作品は4年の歳月をかけて昨年完成。今年2月の「ベルリン国際映画祭」で特別上映され高い評価を得、4月の「German Film Awards」では作品賞、主演男優賞など4賞を受賞した。ドイツ人、中国人俳優に加え、アメリカ人俳優のSteve Buscemiさん、日本人俳優の香川照之さんや柄本明さんも出演している。

 物語は1937年、中国の南京でドイツ、ジーメンス社の社長として働いていた実在の人物ジョン・ラーベの日記をもとに製作。ラーベは日本軍の南京侵攻の際に、軍の力の及ばない安全地区を作るために尽力し、その結果20万人にも及ぶ市民の命を救ったとされている。ドイツ本国に帰国後は一時投獄されたこともあり、ラーベの書いた当時の状況を記す日記の行方は長期にわたり不明だった。

 Gallenberger監督は上映後の質疑応答の際に「4年前ラーベの日記を読んで、この様な人が実在したのかと驚いた。90年代後半にラーベの日記が発見されるまではラーベの事を知る人はドイツでもほとんどおらず、この映画を見るまで知らなかったという人も多くいる。歴史の中の真実に向き合うことは難しいことだが、真実を知り、話しをすることによって前向きなステップを踏み出すことができると思う」と話す。

 鑑賞客からの「なぜ中国人の主要登場人物がいないのか」という質問には、「その点は少し後悔している点でもある。しかし新たに中国人キャラクターもていねいに描いていたら、映画がとても長くなってしまいそうだったので仕方がなかった」と答えた。

 「映画製作にあたり、撮影前にも中国に何度も足を運び取材した。いろいろな角度から検証するために中国で書かれた資料以外にもドイツ語、日本語で書かれた文献にも目を通した。多くの人に見てもらえ、良いフィードバックをいただけて大変満足している」とも。

 14日の上映第1回目には定員670人の上映会場がほぼ満員となった。

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