バンクーバー国際空港(3211 Grant McConachie Way, Richmond)で12月16日、サンタ探しの空の旅「Flight in Search of Santa」が開催され、難病と闘う子どもたち約50人とその家族が1時間半のフライトを楽しんだ。
今年で5回目となる同企画は、チャリティー団体「Children’s Wish Foundation」がAir Transat(エアートランザット)社の協力を得て実施。フライト前には、同社の西カナダ地域マネジャーRoderick Ramageさんが、同社の利用客が旅行先で使わなかった小銭などを寄付するプログラム「Change for Kids」を通して集まった85万カナダドルの寄付金を贈呈した。
イベントに参加したZijun Wangさん(16)は搭乗前に「サンタに会ったら、家族全員の健康と世界中が平和になるようにお願いする」と目を輝かせる。昨年に引き続いて、同フライトを担当したPierre Bergeron機長は「今年一番楽しみにしていたフライト。サンタに会えるよう、最短ルートで安定した飛行ができるように準備してきた。子どもたちに笑顔を届けられる重要な仕事を担当できてとてもうれしい」と話す。
機内では、クリスマス柄のネクタイやトナカイの角をかたどったヘアバンドを身に着けた乗務員たちと、小人に扮(ふん)したボランティアスタッフが、子どもたちと一緒にクリスマスソングを歌ったりしながら、「窓の外を見てごらん。トナカイの赤い鼻が光ってるかもしれないよ」と「サンタ探し」を盛り上げた。
上空8千メートルで水平飛行に達すると、「トナカイたちの鈴の音が聞こえましたか。今、サンタのそりが飛行機の上に止まりましたよ。特別の入り口から入ってもらいましょう」と機長のアナウンスが入り、サンタクロースとサンタ夫人が登場。子どもたちの大歓声に包まれて、握手や写真撮影に応じながらプレゼントを配った。
「多額の寄付金だけでなく、クリスマスシーズンで忙しくなるこの時期に機体を丸ごとこのイベントのために提供してくれたエアートランザット社に心から感謝している」(同団体Amber Dyceディレクター)。
同様のフライトは、モントリオールとトロントでも実施された。