
バンクーバー冬季五輪の表彰式で、メダルとともに選手たちに手渡されるブーケのデザインが正式に決定した。アレンジを担当するのは、生花店「Just Beginnings Flowers」(13686-94a Ave., Surrey)を営むJune Strandbergさんと「Margitta’s Flowers」(#155-123 Carrie Cates Court, North Vancouver)のMargitta Schulzさん。
ブーケ製作には、Juneさんが運営するフラワーデザインの専門学校「Phoenix Centre」で学んだ20人のバンクーバーの女性たちが協力する。同校は、麻薬中毒や家庭内暴力で悩む女性、犯罪歴を持つ女性やセックストレードで生計を立てている女性、シングルマザーの女性など、さまざまな困難を抱える女性たちを積極的に受け入れ、フラワーアレンジを通して新しい自分や未来の目標を見つけるきっかけを提供している。
「BC(ブリティッシュ・コロンビア)州とカナダを象徴するデザインに」という条件の下、試行錯誤を繰り返した23種類の試作品を経て、ようやくIOC(国際オリンピック委員会)とIPC(国際パラリンピック委員会)のOKが出た。オリンピック用1,055個、パラリンピック用652個の計1,707個を提供する。
「シンプル」「モダン」「若さ」「エレガント」の4点をイメージして完成した作品は、グリーンを基調とした高さ30センチ、直径20センチのブーケ。スパイダーマムを中心にしてヒベリカムの実をあしらい、シダの葉、モンキーグラス、ハランの葉で包み込んだ。同五輪のイメージカラーの一つ、ロイヤルブルーのリボンでまとめる。ブーケに使用する花は、主に同州チリワック市で生産され、同州内ではこの時期に供給できないものはエクアドルから空輸する。
Judyさんは「今回の契約が決まった大きな要因は彼女たちにある。オリンピックという多くの人が注目する大イベントで、自分たちが作ったブーケが世界のトップアスリートたちに贈呈されることは、プロジェクトに関わった女性たちのこれからの人生に明るい希望を与えてくれるはず」と目を輝かせる。