リッチモンド中心部に設けられた五輪関連イベント会場「O Zone」(7560 Minoru Gate, Richmond)で2月20日・21日、「2010 Ice Art World Championship(アイスアート世界選手権)」が開催され、会場内の特設テントには、常に30分待ちの行列ができる人気アトラクションとなった。
同選手権は、1988年のカルガリー以来、冬季五輪開催に合わせて行われる「氷のイベント」。アメリカ、カナダ、イタリア、フランス、日本から11チームが参加し、制限時間の12時間内に、氷のブロック(25センチ×50センチ×100センチ)を積み上げ、チェーンソーや専用の彫刻刀を使って作品を彫り上げる。
現在開催中のバンクーバー五輪は、会場の雪不足など暖冬の影響が常に話題になっているが、今回のイベントも例外ではない。同プログラムの運営に携わったDavid Chinnさんは「通常の『氷のイベント』開催地に比べて気温が高いので、どうすれば長時間いい状態で作業をしてもらえるか工夫が必要だった。日差しの入る角度や来場客の流れ、照明などあらゆる要素を考慮して会場設営を行った」と準備段階の苦労を振り返る。
フィンランドから足を運んだInternational Association of Snow and Ice SculptureのJuhani Lillberg会長は「各国とも素晴らしい作品だが、特に日本チームはいつも繊細なデザインと高い完成度で、審査員をうならせる」と評価する。
日本から参加した浦和ロイヤルパインズホテルのアートカービング・デコレーター木村裕昭さんは「今大会のテーマは『希望』。ちょうどオリンピック開催中でもあるので、選手たちがゴールを目指して懸命に努力する姿と重ね合わせてデザインした」と話す。
リッチモンド「O Zone」の開場時間は、月曜~金曜=15時~23時、土曜・日曜=12時~23時。入場無料。氷の彫刻展示は23日まで。