カナダ日系博物館「Japanese Canadian National Museum」(6688 Southoaks Crescent, Burnaby, TEL 604-777-7000)で4月24日、日系カナダ人アーティストMary Anne TateishiさんとRobert Shiozakiさんによる作品展「Half & Half」が始まった。
同展はともにカナダで活躍する日系3世のアーティスト、TateishiさんとShiozakiさんが博物館コレクションの写真などから触発され制作した作品を展示。Tateishiさんは絵の具や紙、写真などをコラージュのように何重にも重ねていく独特な手法の抽象画を、Shiozakiさんは陶器や米などを使った立体アートによる作品を、それぞれ出品する。
Tateishiさんは「両親や祖父母の世代が体験した過去の辛い時代と現在の日系人社会を改めて見つめてみたら、あのまま戦争が起こらなければパウウェルストリート周辺はどうなっていたのだろう、などと作品のアイデアが浮かんだ。現在カナダで活躍している日系人の数やバンクーバーにある日本食レストランの数を見ても、現在は日系人と日本がカナダ社会に受け入れられていることがわかる。これは前の世代の努力の結果だと大変誇りに思った」と話す。
Shiozakiさんは、多くの米粒と陶器で作った鏡もち、戦争当事の新聞のコピーなどを作品に使用。「過去の歴史を展示するだけではなく、現在も歴史の続きの一部であること」を表した。Tateishiさんの作品中にはバンクーバー内の日本食レストラン名がぎっしりと書き込まれてあったり、ウエディングドレスに着物風のデザインが重ねられているものがあったりして、来館者がじっと見入る場面も見られる。
展示会名「Half & Half」の由来は「2人のアーティストで半分ずつ担当した展示会、『日本とカナダ』『過去と現在』などの意味を込めてつけた」(Tateishiさん)。5月6日19時からはTateishiさんによる作品紹介を行う。
開催時間は11時~17時。日曜・月曜休館。6月19日まで。