2007年2月12日にバンクーバー・ダウンタウンのアートギャラリー(750 Hornby Street, Vancouver)前広場に設置され、冬季五輪開催までの残り時間を刻み続けた「カウントダウン時計」が引越しすることになり、10月13日・14日の両日、解体・移設作業が行われた。
スイス・オメガ社製の「カウントダウン時計」は、幅3メートル×高さ6メートル、重量1,170キロ以上。ガラスとステンレススチール、先住民アートを施した杉材の柱を組み合わせたもの。片側にオリンピック、反対側にパラリンピックまでの残り時間が表示され、五輪終了後も、バンクーバーを訪れる観光客の間では聖火台と並んで人気の記念撮影ポイントとしてにぎわっていた。
ブリティッシュ・コロンビア州、VANOC(バンクーバー五輪組織委員会)、オメガ社、BC Pavillion Corporation(PavCo)、バンクーバー市、ウィスラー・スポーツレガシー協会が、移設場所について協議した結果、オリンピックのロゴがデザインされた部分はBCプレース内、パラリンピックのシンボルをあしらった部分はウィスラー・オリンピックパークのDay Lodgeに移し、「オリンピック開催の遺産」として保存することが決定した。
前者は、現在進んでいるBCプレースの改装工事終了後、通常の時計として日時を表示し、後者は今後行われるスポーツイベント開催までのカウントダウン時計として利用する。
「ブリティッシュ・コロンビア州だけでなくカナダ全土の人たちの心にしっかりと残った地元でのオリンピック開催。力を合わせれば期待以上のことを成し遂げられることを思い出させてくれるのがこのカウントダウン時計」と話すゴードン・キャンベル州知事。「地元市民にとっても観光客にとっても同じように冬季五輪のよき思い出として大切に残すことができるよう尽力してくれた皆さんのおかげ」と感謝の意を表した。