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「僕らの未来」がドラゴン&タイガー賞ノミネート-現役大学生・飯塚花笑監督来加

「僕らの未来」の主演俳優、日向陸さん(左)と飯塚花笑監督(右)

「僕らの未来」の主演俳優、日向陸さん(左)と飯塚花笑監督(右)

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 9月29日より開催されている「第30回バンクーバー国際映画祭」のアジア部門の新人監督賞「ドラゴン&タイガー賞」で東北芸術工科大学映像学科3年生の飯塚花笑(かしょう)監督作品「僕らの未来」(英語題「Our Future」)がノミネートされ、飯塚監督と主演の日向陸さんが来加した。

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 同作品は女性として日々を送ることに悩む高校生の優と、優の家族や学校の生徒など周囲の人々を描く青春映画。「第33回ぴあフィルムフェスティバル」では審査員特別賞を受賞した。自分の生きる狭い社会のなかで、自分らしくあることを求めて葛藤する10代の姿を日向さんのみずみずしい演技で描く同作は、上映後会場から多くの好感の声が上がった。

 性同一障害を扱ったことについて、飯塚監督は「1本目に撮る作品のテーマを考えた時、自らの中で大きな問題となってきた性同一障害と、自分をいかに受け入れて生きてゆくか、というテーマで撮ろうと自然と決まった」と話す。主人公を10代と設定したのは、「まだ若くて子どもで未熟な面も残っている世代。他人との違い、学校や友人、家族など社会の中での自分など多くの葛藤がある世代。感情のゆれが大きくピュアで、ある意味危険な世代を描きたかった」と話す。

 同作品を製作したのは大学の1年生から2年生にかけて。構想、脚本に約1年間をかけ、学内の有志9人を集めて製作。主演を務めた日向さんも同じ大学で学ぶ友人の一人。飯塚さんは「学校の機材を借りて撮ったので、撮影にかけられたのは9日間だけだった。スタッフ集めから編集までこなしたが、やはり短期間で皆の気持ちを一つにまとめ維持する作業には苦労した」と撮影時を振り返り笑顔を見せる。

 今回の出演が演技初体験の日向さんは「脚本を書いた監督と、自分とでは根本的に考え方も違うし体験してきたことも違う。自分が役とは違う風に感じる場面などもあり、そこは演じるのに苦労したが、なるべく話し合い解決してきた」と話す。

 作品の出来については、「やりたいことはできたし、伝えたい事は伝えられたが、技術的な面でまだまだなので50点」。日向さんは「映画の出来については80点。でも自分の演技は20点」と、それぞれ自己採点した。

 バンクーバー国際映画祭に関しては、「今まで世界を知らなかったな、と実感しており、素晴らしい経験をさせてもらっている。(映画館での)観客の入りが良いのには驚いている。日本で見る機会のない国の映画なども見て、他の映画関係者とも交流してみたい」(飯塚さん)。「自分はバンクーバーには来る予定はなかったが、大学の教授も『世界を見て来い』と応援してくれた。本当に来て良かった」(日向さん)。2人とも「大学の教授からはすごく応援してもらい感謝している」とも。

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