バンクーバーの「C Restaurant」(1600 Howe Street, Vancouver)で11月25日、カナダへのフカヒレ輸入禁止法案の成立を求める嘆願書署名運動の開始が発表された。運動を推進するのはNDP党員Fin Donnelly議員、映画監督Rob Stewartさん、中国人活動家Claudia Liさんら。
Donnelly議員は「サメの減少は世界中で顕著に見られる。カナダが輸入禁止法を成立することで危機への注目度は増し、サメ保護への大きな役割を果たすだろう」と署名運動開始の意義を話す。「BC州住民500人への調査を実施したところ83.4%がフカヒレ輸入に反対しており、調査に参加した中国系住民の76.8%も反対と答えた」とも。
ドキュメンタリー映画「Sharkwater」の監督Rob Stewartさんは「毎年約7300万頭のサメがヒレのために殺されている。メキシコ湾、地中海一帯では過去15年間でサメの数は90%も減少している。今行動しなければサメを守ることはできない」と訴える。「アジア系人口の多いカリフォルニア州でもフカヒレは禁止されており、トロントなどオンタリオ州でも禁止する都市が増えている。カナダ国家全体の輸入禁止法が成立すれば、サメ保護のリーダーシップ的な役割を果たすことになるだろう」と期待を寄せる。
「Sharkwater」の観賞がきっかけでフカヒレスープ廃止を訴える団体「Shark Truth」を設立したClaudia Liさんは「中国人にとって結婚式やパーティーで大切な来客に高価なフカヒレスープを提供してもてなすことは大切な習慣。しかしサメ漁の残酷さとサメが絶滅の危機にひんしている事実を訴え、少しずつだが理解が広がっている」と話す。
LiさんらはShark Truthサイトで北米で結婚式を挙げる中国系カップルに、フカヒレスープをメニューに入れないというキャンペーンを行っており、フカヒレに代わるスープのレシピコンテストなども実施している。
嘆願書にはFin Donnelly議員のサイトから署名できる。