ブリティッシュ・コロンビア(BC)州で2月15日から、新しいIDカード「BC Services Card」が導入された。今後5年間で、従来の医療保険カード「CareCard(ケアカード)」からの完全移行を目指す。
1989年に導入以来、大きなシステム変更やアップグレードもないまま使用されてきたケアカードに比べて、新しいカードは、証明写真付きにしてICチップも取り入れ、カード偽造防止や個人情報保護の点で充実を図った。ICBC(Insurance Corporation of British Columbia)の運転免許センターで申請できる。運転免許証とあわせて1枚にすることも可能で、免許証同様、5年毎に更新する必要がある。写真付きカードの発行対象となるのは、19歳から74歳まで。申請費用は無料(運転免許証更新料のみ)。
BC州保健省のMichael de Jong大臣は「保険証の違法利用で、毎年多額の出費がかさんでいる。この新しいカードの導入により、保険詐欺行為を減らし、患者さんたちの安全が保障されるとともに、より信用できる身分証明書としても使用可能になる」と説明。BC州医師会会長のIan Gillespie医師は「セキュリティー面での技術向上により、不正行為を防ぎ、MSP(Medical Services Plan)に加入している人たちに正当な医療サービスを提供できることになる」と評価する。
今後は、同カードを利用して、州政府の新しいオンラインサービスへのアクセスが可能になるようシステム開発をしていく予定。