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バンクーバーで震災がれきに関する説明会実施-当初予想を下回る量が漂着の模様

Clarksonさんが回収した日本の家屋に使用されていたと思われる木材ほかのがれき

Clarksonさんが回収した日本の家屋に使用されていたと思われる木材ほかのがれき

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 バンクーバー水族館(845 Avison Way, Vancouver TEL 604-659--3474)で9月10日、州専門家による東日本大震災の津波がれきに関する説明会が開かれ、50人を超える市民が漂着状況や対策などについて熱心に聞き入った。

津波がれきアート

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 BC 州Department of Fisheries and OceansのRichard Thomson教授は「震災により発生した約500万トンのがれきのうち現在も漂流していると予測される量は約150万トン」と説明。海流や風の影響などを研究したところ、「そのうちの多くはBC州の沿岸にはたどり着かずに海に沈むか太平洋の『Garbage Patch(ゴミベルト)』にたどり着き、5年程度のサイクルで日本に戻る物も見られるだろう」とBC州への影響が当初の予想を下回ることを話した。

 カナダ・BC州津波がれき対策委員会共同代表のPaul Klucknerさんは「漂着物の多くはプラスチックや漁業網、木材」だが、「アメリカの海岸には桟橋が漂着し、BC州北部でも漁船や小型ボートなどが見つかっている」とし、「懸念された(大型の漂流物に付着している)日本からの生物が州の生態系に与える影響は特に見つかっていない」「漂流物からの放射線量も通常のバックグラウンドレベルなので問題はない」と解説した。

 バンクーバー島、トフィーノにある国立公園パークレンジャーで海岸漂着ゴミを利用したアートも制作するPete Clarksonさんは「今年で20周年を迎えるGreat Canadian Shoreline Cleanupなど、多くの人が海岸清掃活動を続けているが、いまだゴミは減っていない」とし、「回収したゴミの多くは再利用もできず行き場もない」と現状を説明。「作品がゴミ問題への関心を集めるきっかけになれば」と、作品と回収したゴミなどのスライド写真を紹介した。

 Clarksonさんは昨年より見つかり始めた日本からの漂着物も作品に使っており、「津波発生時は7000キロ離れた所にいる自分たちにも避難勧告が出た。沿岸に住む自分の周囲の多くは、津波を遠い国で起こった人ごとという思いにはなれず心を痛めている」と話す。

 以前は漁業網やブイ、プラスチックなどが多く見つかっていたが、「ある朝多くの木材が一度に打ち上げられていた。形状などを調べたら日本の家屋に使用されていた物だとわかり、(この木材は)かつては誰かが暮らす家だったと思い、とてもつらくなった」と振り返る。Clarksonさんは今後も海岸清掃を続けながら「日本からの物を使用し慰霊碑のようなものが制作できればと考えている」と思いを話した。Clarksonさんの作品はバンクーバー水族館で9月末まで展示される。

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