Vancouver Public Library(350 West Georgia Street, Vancouver)南広場で3月15日、空中でのダンス・パフォーマンス「One Icy Urban Spire」が開催される。バンクーバーを拠点に活動するダンス・カンパニー「Aeriosa」の公演で、Vancouver Cultural Olympiad 2008の一環。
図書館の建物屋上から垂らしたロープを伝って、ハーネスを着用した7人のダンサーたちが地元のスイング・カルテット(四重奏団)Van Djangoの生演奏に合わせて華麗なダンスを舞う。壁を使って跳躍したり、ダンサーが水平方向や垂直方向に交差してさまざまなパターンを作りながら3次元空間を彩る。
演目のテーマは「カナダの冬」。「冷たい空気や雨続きの悪天候の中でも、自分の情熱の向かう方向へ挑戦し続け、跳び続ける」をコンセプトに作り出したダンスだという。
ダンサーはMichael Flynnさん、Alisoun Payneさん、Abby Watkinsさん、Jude Wongさん、Charlie Wilsonさん、Kira Shafferさんと芸術監督兼振り付け師Julia Taffeさんの計7人。日ごろから山に登り、岩肌を使ってダンスの練習を行っている。
同カンパニーは、2001年にダンスを通して芸術や21世紀の文化、人間の知覚・感受性を表現することを目的に、3人のダンサーとともにJulia Taffeさんが設立。これまでにバンクーバーやバンフ、ビクトリア、ナナイモ、ケロウナなどのBC(ブリティッシュ・コロンビア)州内の都市だけでなく、モントリオールでのシルク・ド・ソレイユとの共演や台湾での公演も行ってきた。「芸術は人の生活を豊かにし、誰もが収入などの障壁にとらわれることなくダンスの世界に触れるべき」という信念のもと、無料公演やワークショップの開催を通じて地元社会へ貢献している。
公演場所は劇場や広場だけに留まらず、ビルの壁面や屋上など多岐に渡り、「その場所に応じて細かい演目の内容を変化させて、その建物の美しさを引き立てるように工夫している」(Julieさん)という。
「図書館の建物自体が美しく、その建築スタイルは今回のダンスをイメージして作られたと言っても過言ではないくらい最適のステージ。今まで1度に7人全員で踊ったことはなかったが、この会場はそれを可能にしてくれた」と話すJulieさん。「Van Djangoの音楽は楽しく弾む響きを持っているので、振り付けのイメージにぴったり。衣装もダンスの雰囲気と合った美しいものが完成し、機能的にも芸術的にも最高の出来になった。アジアでは台湾で公演をしたことがあるが、チャンスがあれば日本の高層ビルでのダンスにもぜひ挑戦してみたい。今回のパフォーマンスもたくさんの皆さんに楽しんでもらえたら」と期待を寄せる。
事前の公開リハーサルは5日~9日と12日~14日、15時30分~17時30分に行われている。15日の公演は13時、14時、15時30分の3回。観覧無料。