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バンクーバーで「カレー選手権」初開催-初代王者はマレー・カレー

バンクーバーの初代カレー王はマレースタイルの「ラム・ルンダン」

バンクーバーの初代カレー王はマレースタイルの「ラム・ルンダン」

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 多くの移民が集まり、世界中の料理を楽しむことができるバンクーバーで3月4日、第1回「カレー選手権(Curry Cup)」が開催された。販売された170枚のチケット(59カナダドル)は完売。会場となったHeritage Hall(3102 Main Street, Vancouver)は、詰め掛けた参加者とスパイスの香りであふれた。

真剣な表情で採点する「カレー選手権」の審査員たち

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 「家の中に閉じこもりがちの寒い冬をピリッとスパイスの効いた温まるイベントで盛り上げよう」と、非営利団体「Chef’s Table Society of BC」が取り組んだ初めての試み。当日は、「Forage」のChris Whittakerさんや「The Acorn」のBrian Skinnerさんなど、バンクーバー市内、ウィスラー、ビクトリアのトップシェフら8人が、それぞれ自慢のカレーを出品。地元醸造所のビールやBC州産ワインのほか、地元バーテンダーLauren Moteさんのオリジナル・ノンアルコール・カクテル「Green Fairy(緑の妖精)」も振る舞われた。

 参加者たちは、ベジタリアンやグルテンフリーを含む全8種類のカレーを食べ比べて、一番気に入ったカレーに投票。「どれもおいしくて一番を決められない」「今までに食べたことのない種類のカレーもあって面白い」「ぜひレシピを教えてもらって、家でも挑戦してみたい」など、思い思いの感想を口にしながら、投票用紙を前に真剣な表情で一品ずつ試食する姿が見られた。

 フードブロガーやグルメライターなどからなる5人の審査員は、「味」「見た目」「サステナビリティー度」「レシピが生まれた秘話」「独創性」の面から採点。参加シェフ8人中紅一点で出場したケータリング会社「Savoury Chef Foods」のTaryn Waさんが出品したマレースタイル・カレー「Lamb Rendang(ラム・ルンダン)」が初代カレー王者に輝いた。

 Waさんのカレーは、地元産のラム肉をココナツミルクとスパイスで煮込み、油で揚げたウズラの卵のトッピングとRoti Jala(網目状のパン)を添えたもの。参加者の人気投票でも断トツの得票数で「People’s Choice Award」もダブル受賞した。「親友がマレーシア人なので、この味には子どものころからなじみがある。結婚式の料理などでもケータリングしたことがあり、とても好評だったので今回のメニューとして選んだ。ただ辛いだけでなく、少し甘みもあって食べやすいところや、材料のバランスの良さが多くの人に喜んでもらえたのだと思う」とWaさん。「次回も参加して連覇を狙いたい」と早くも意気込む。

 同団体の運営責任者Nessa van Bergenさんは「こんなに多くの人が関心を持って集まってくれてうれしい。(バンクーバー水族館で開催されている)『Chowder Chowdown』のように毎年開催して、地元のグルメイベントとして定着していければ」と今後の抱負を語る。

 「Chef’s Table Society of BC」は、「地元産の材料を使った地域に根差した料理の普及」「サステナビリティーの追及」を目標に掲げて、シェフ育成のためのファンドレイジングやシェフ・レストラン業界の情報交換の場を提供する非営利団体。今回の収益金のうち1000カナダドルが「Growing Chefs」に寄付された。

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