バンクーバーのCANADA PLACE(200-999 Canada Place,Vancouver)で4月19日、バンクーバーで活躍するイラン人アーティスト、Zahra Hosseinkhanさんの「イスラム社会での女性の権利」を訴えた展示会「RISE」が開催された。
ウエストバンクーバー市長のPamela Goldsmithさんがプレゼンターとして参加、カナダの国歌「O Canada」とイランの祝歌「Ey Iran」を斉唱するオープニングで展示会が開幕。観客の中には伝統的な布ヘジャブで顔をおおった女性の姿もあり大勢の人が作品を鑑賞した。
会場では、現代アートとクラシックアートを組み合わせ、女性らしさを表現する自然や花を描いた作品、女性の裸をモチーフにした作品など約40点を展示。イスラム教徒の女性が宗教的理由から他人に顔を見られないように、全身をすっぽりと覆う伝統的な民族衣裳のチャドルをまとい顔が描かれていない作品「exploitation」やヌードの女性が空を飛んでいる作品「RISE」など、イスラム世界に身を置く女性が体を覆い隠すという常識を覆し、女性の自由や権利を主張する作品が数多く展示された。
イラン生まれのZahraさんは12歳で絵画を始め、テヘランカレッジでアートを学び21歳でギャラリーをオープン。その後、訪れたバンクーバーの自然の美しさに深く感動し1996年にバンクーバーへ移住した。カナダ政府やブリティッシュコロンビア州などから賞を授与され、2003年には「Canadian Academy Of Fine Arts & Design」を設立、アーティストとしてだけでなく学生や若いアーティストへの指導者としても活躍する。
「文化的に形成される男女の差異や宗教や伝統などすべてのものから自由になることをテーマに女性を描く。作品を描くことで、イスラム圏で統治された女性の権利と自由を少しでも切り開くことができれば」と話すZahraさん。娘のNiloufarさんは「母としてもアーティストとしても尊敬している。今は母から油絵の描き方を習っていてとても楽しい」、コーディネーターのKathyさんは「女性の権利と自由をうたう画期的な展示会ができてうれしい」と語った。展示会は1年に1度だが、予約すればZahraさんのギャラリー(1331 West Georgia,Vancouver)も案内するという。