バンクーバーに炙りすし店「Miku」-宮崎・虎コーポレーション海外1号店

「美しい空」のイメージで自然の要素を取り入れた内装が施された「Miku(美空)」店内。写真撮影:Shugo Takemi

「美しい空」のイメージで自然の要素を取り入れた内装が施された「Miku(美空)」店内。写真撮影:Shugo Takemi

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 バンクーバー・ダウンタウンのオフィスビル1階に11月14日、炙(あぶ)りスタイルをメーンにした和食レストラン「Miku(美空)」(#2-1055 W. Hastings Street, Vancouver、TEL 604-568-3900)がオープンした。宮崎県を中心に回転ずし店「寿司虎」や海鮮和食の店「なかむら」を展開する「虎コーポレーション」(宮崎県都城市)初の海外出店となる。

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 海外進出の拠点としてバンクーバーを選んだ理由を「ロケーションを探すためにいろいろな国を訪れた中で一番好きになったから」と答える中村正剛社長。「バンクーバーはこれから世界に注目される場所であること」も決め手になったという。「質・味ともに高レベルのメニュー」「楽しい食事で幸せを感じる瞬間を作り出すための空間演出」「人とのつながりを大切にしたサービス提供」をコンセプトに綿密なオープン準備を進めてきた。

 約3,600平方フィートの店内には、白い大理石のカウンターとテーブル席を合わせて92席を設け、屋外にも40のパティオ席を用意。店名の由来でもある「美しい空」をイメージして、地元のデザイン会社Arca3 Design Studioが内装を手がけた。高い天井からは、空に浮かぶ白い雲に見立てたガラスの照明を青や紫の落ち着いた色合いで配し、滝をデザインしたガラスの壁画や、木目調のフローリング、小石を敷き詰めた通路など自然の要素を取り入れて温かい雰囲気を作り出す。シェフの調理風景も見て楽しめるようカウンターエリアのデザインも工夫した。

 炭火焼にしたBC(ブリティッシュ・コロンビア)州産鶏肉をオリジナルのみそソース、またはガーリック風味のしょうゆだれで味わう「Aburi Chicken」(16カナダドル)、マグロとサーモンの「Aburi Sashimi」(15カナダドル)は、「来店したお客さまに必ず食べてもらいたい」(蓮見泰輔店長)というメニュー。「Miyazaki Chicken Nanban」(28カナダドル)や「Cajun Grilled Seafood」(38カナダドル)など、じか火で食材を炙る調理法を用いたすしメニューを中心に、フレンチと和食を融合した創作料理を提供する。

 そのほか、女性パティシエ氏家朝子さんが創り出す「和」のテイストをふんだんに取り入れたスイーツでデザートメニューも充実させた。できるだけ地元で仕入れた新鮮なオーガニックの材料を使い、環境への配慮も。想定客単価は、ランチタイム=25カナダドル、ディナータイム=65~70カナダドル。

 18日には、地元メディアや関係者を招きMedia Nightが開かれ、約300人の招待客でにぎわった。神主が神事を執り行い今後の無事とビジネスの成功を祈願した後、カナダ初の女性メンバーだけの和太鼓グループ「さわぎ太鼓」が演奏を披露して会場を盛り上げた。

 「今まで『すし=生の魚』というイメージで苦手だったが、これなら自分にも食べられる。しょうゆを使わなくても、材料にしっかり味がついているのでそのまま食べておいしい」と喜ぶブラジル出身で日本が大好きというSuzanneさんや、「近くのオフィスで働いているので、今度ぜひクライアントと一緒にビジネスランチでも食べに来ようと思う」と話す証券会社社員のSantoさんなど、招待客の評判も上々だ。

 「多くの日本食レストランがひしめいているバンクーバーで、皆さんがこれまでに見たことのないすしのスタイルをお見せしたい。雨が多く灰色のイメージが強いバンクーバーのこれからの季節も、ここに来れば美しく青い空の下で気持ちよく食事が楽しめますよ」と笑顔を見せる中村さん。来年には、米・カリフォルニア州とニューヨーク州に姉妹店をオープン予定で、「日本のすしの将来を背負って、会社を『世界ブランド』に成長させたい」と意気込みをみせる。

 営業時間は、ランチ=11時~14時(月曜~金曜のみ)、ディナー17時~22時。

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