2010年バンクーバー冬季五輪会場となる「Pacific Coliseum(パシフィック・コロシアム)」(2901 East Hastings St., Vancouver)で2月6日、「四大陸フィギュア選手権」3日目が行われ、浅田真央選手がジャンプのミスに苦しみつつもフリーでトップの118.66点をマーク、合計176.52点で3位入賞を果たした。
優勝したのは、韓国のキム・ヨナ選手。はるばる韓国からも応援に駆けつけたファンを含め、多くの地元ファンらの割れんばかりの声援に後押しされるかのように次々と華麗なジャンプを決めて、合計189.07点を獲得して、同大会での初優勝を飾った。カナダのJoannie Rochette選手が183.91点で2位に入った。
村主章枝選手は6位(167.74点)、鈴木明子選手は8位(160.36点)と健闘した。
フリーの演技について、浅田選手は「今日の自分のコンディションではベストの演技。演技に入る前に、『必ず1つはいいトリプルを決めよう』と思っていたので、最初で失敗してしまった後、『次は必ず飛ぼう』と思ってジャンプした。今の自分のジャンプの問題点は何か分かっているが、それが何かは秘密」、村主選手は「すべてが硬かった。ジャンプで崩れた後の対応など重点的に練習をしてきたが、精神的な部分がまだ課題」、鈴木選手は「少しジャンプがうまくいかなかったので悔しい。今、自分ができることをすべて出し切るのは簡単ではなかった」とそれぞれ振り返った。
初日・2日目の観客動員数が約3,500人だったのに対し、当日は1万人近くの人が集まり、会場内は日本や韓国、アメリカ、カナダなどの国旗や、「がんばれ日本」「Yu-Na, will you marry me(ヨナちゃん、ぼくと結婚してくれる)?」など思い思いのメッセージを掲げるファンであふれた。
会場に集まった在住日本人の観客たちからは口々に「フィギュアには今まであまり興味がなかったが、こうして実際に目の前でトップレベルの選手たちの滑りを見ると、とても迫力があり演技に引き込まれてしまった」「来年のオリンピックが楽しみ」という声が聞かれた。
今大会について、日本人選手らは「日本人の方がとてもたくさん応援に来てくれて、パワーをもらえた。また来年、同じ場所で同じように声援をもらえるようにがんばりたい。今回出場したことで、オリンピックのいいシミュレーションになった」(浅田選手)、「3月の世界選手権に向けてのいい練習になった。オリンピックについてはまだこれからコーチと相談する」(村主選手)、「久しぶりの大きな大会参加だったので緊張した。自分にとっては今シーズン最後となる大会だったのでベストを尽くした。もう一度ここに戻ってきて滑りたい」(鈴木選手)とコメントし、来年に控えたオリンピックへの思いを新たにしていた。
バンクーバー滞在中の食生活について村主選手は「日本食中心の食事ができたのでよかった。『亀井ロイヤル』さんには差し入れをしていただいたりして、本当によくしてもらったのでお礼をいいたい」と話した。
上位4位までの入賞者らによるエキシビションは、大会最終日の8日12時~。