バンクーバーの「Pacific Coliseum(パシフィック・コロシアム)」(2901 East Hastings St., Vancouver)で「四大陸フィギュア選手権」最終日の2月7日、男子フリーが行われ、日本の小塚崇彦選手が果敢に挑戦した4回転ジャンプで転倒したものの総合で221.76点とし、3位となった。
ショートプログラム(SP)で首位に立ったカナダのPatrick Chan選手が、前半のジャンプミスから見事に立て直して総合249.19点で優勝。今季初の4回転ジャンプを決めたアメリカのEvan Lysacek選手が、総合237.15点で2位に入った。
SP6位の織田信成選手はフリーで3位と健闘し、総合4位(220.26点)に。南里康晴選手は、けがの痛みをこらえつつ最後まで演技をやり遂げて、総合12位(157.91点)となった。
今大会を振り返って、「始まる前はどうなることかと緊張したが、終わってみると楽しんで出来ていたので良かった」(小塚選手)、「NHK杯や全日本のときに比べて、気持ちの面で弱いところがあった」(織田選手)、「けがの痛みがかなりひどい。痛み止めは気分を落ち着ける程度にしかならず、痛みは治まらない。今の段階で自分がオリンピックに出場できる可能性は20%くらい。(その可能性を)もっと高められるよう、けがをしっかりと治して準備をすすめたい。素晴らしい会場でとてもいい経験ができた」(南里選手)それぞれに話した。
大きな国際大会での初優勝を飾ったChan選手は「今回の優勝が次の世界選手権、そしてオリンピックへとつながるきっかけとなるように、さらに上を目指していきたい」と興奮気味に語った。
男子フリーの競技進行とあわせて、会場内コンコースでは女子フリーの表彰式が行われた。1位の浅田真央選手、2位のJoannie Rochette選手(カナダ)、3位のキム・ヨナ選手(韓国)が特設ステージ上に登場すると、集まったファンからは大きな歓声が沸いた。日本人ファンから「ネットの『真央ちゃん応援サイト』では、たくさんの人が真央ちゃんの演技で涙が出るほど感動したと盛り上がっている」との声があがると、浅田選手は笑顔で「ありがとうございます。皆さんの応援にはいつも力をもらっています」と答えた。
会場でカナダのカメラマン、David W. Carmichaelさんは、バンクーバー冬季五輪開催を記念して発行されているフィギュアスケートのデザインの25セント硬貨を浅田選手に手渡した。「今回の大会の思い出にと思い、選手たちにメダルを取れたかどうかに関わらず渡している」(Davidさん)。
VANOC(バンクーバーオリンピック組織委員会)が「冬季五輪プレ大会」と位置付けた今大会では、オリンピック本番を想定して入場時のセキュリティー・チェックの練習を随時行うなど、スムーズな会場運営・競技進行のために問題点はないか入念なチェックが行われた。
今回の会場について参加選手たちは「更衣室もゆったりとしていて快適だった」(Chan選手)、「氷のコンディションも良かったし、ボランティアスタッフも親切すぎるくらいによくしてくれた。来年また戻ってくるのが楽しみ」(Lysacek選手)とコメントを寄せた。
8日には、各種目の上位4位入賞者によるエキシビションが開かれる。12時~。