北のハリウッドとも呼ばれる映画の街バンクーバーのWestin Bayshore Hotel(1602 Bayshore Drive, Vancouver) で5月8日・9日、BC州（ブリティッシュ・コロンビア州）製作の映画に贈られる映画賞LEO　Awards 2009の授賞式が行われた。主催はMotion Picture Arts and Sciences Foundation of British Columbia で、開催は今年で11回目。

　LEO　AWARDはBC州で制作された映画、スタッフ、キャストに送られる映画賞。長編映画、短編映画に分けてそれぞれ、最優秀映画賞、監督賞、主演女優、主演男優などをはじめ、最優秀脚本賞、衣装デザインなど70の賞が授与される。今年は人気シリーズ｢Stargate Continuum (スター・ゲート･コンティニュアム)｣が数多くの部門でノミネートされ話題となった。

　バンクーバーを基点として映画制作に携わる山本美穂さん（Elephant Beach Productions Inc.）もBravoチャンネルで放映されたカフカ原作の短編映画『Conversation with the Supplicant』でベスト・プロダクション・デザイン部門にノミネートされた。

プロダクション・デザインとは映画の衣装、小道具、セットなど画面に映るものすべてを総合的に指揮する仕事。山本さんは『Conversation with the Supplicant』で、バンクーバー市内の現在はほとんど使われていない古い教会をヨーロッパ内にある教会であるかの様にスクリーン上に登場させた。

　｢5年前に日本から一人でカナダ来た時には、まさか、これほどの賞にノミネートされる様になるとは思ってもみなかった。フィルム・スクールを卒業と同時に大小の映画の仕事を通してステップアップしてきた。映画を見た友だちから、『ヨーロッパで撮ったと思った』と言われた時は本当にうれしかった｣と話す。

　山本さんは残念ながら今回は受賞を逃したが、｢会場のスクリーンに自分の名前が映し出され紹介された瞬間は感動で言葉もでなかった。これからも、一つひとつの作品を全力で心を込めて作りあげていきたい｣と話す。