バンクーバーに6月3日、トロント発のカーシェアリング・サービス「CIty Flitz (シティフリッツ)」が上陸し、1日1カナダドルというレンタカー代金、人目を引く車の外観、ユニークなビジネス形態で話題を集めている。
シティフリッツはトロントの広告会社が始めた。レンタルされる車はすべて広告スポンサーのロゴなどで覆われている。スポンサーは、レンタカーとして使用され市内を走る車によって最大限の広告効果が期待できる。同社CEOのAndreas Kotalさんは「他のカーシェアリングと違うのは車に広告スポンサーを付けている点。1日1ドルという低価格が実現することによって、車の利用者、スポンサーの双方に利点がある」と話す。
バンクーバーでのスポンサー第1号は保険会社ICBC。今夏の「Drive Smart Save Green」キャンペーンにふさわしい宣伝方法としてシティフリッツと契約。ICBC広告担当者は「車を利用しながらも、少しでも環境保護に貢献できる方法があると気付いてもらうのが今回のキャンペーンの目的の一つ。シティフリッツのメンバーが低料金で必要な時のみ車をシェアするという方法は環境にも良い」と話す。
利用者はサイト上でメンバー登録を行い、年間登録費35カナダドル、保証金(退会時に全額返金)350カナダドル、月会費7カナダドルを支払う。メールによってメンバー手続き完了の連絡とともにパスワード送付後、レンタカーの予約をサイト上から行うシステム。車の利用料は1日1カナダドル(自動車保険料込み)。
走行距離の上限はないが、広告用の車という性質上、利用者には1日最低30キロメートルの走行が義務付けられる。また、広告効果が最もあると判断されるエリア「Flitz Zone」内での走行のみとなる。バンクーバー地域のFlitz Zoneは、北はウェスト・バンクーバーから南はホワイト・ロックまでで、グレーター・バンクーバー地区はほぼカバーされている。
バンクーバーではダウンタウン(2カ所)、ノースバン、キッツラノの4カ所に貸し出しステーションを開設。今後も需要により増やしていく予定。使用車種は燃費がよく人気も高い「smart car」のみで、全車Wi-Fiハイスピード・インターネット対応。開業1年のトロントではYahoo! Canadaやテレビ局のHBO などがスポンサーになっている。現在、カルガリーとモントリオールでも事業展開の準備を進めている。