バンクーバー冬季五輪開催を2週間後に控えた1月29日、COC(カナダ・オリンピック委員会)はリッチモンド市役所(6911 No.3 Rd., Richmond)でスピードスケート代表のクララ・ヒューズ選手が、カナダ五輪選手団の旗手を務めることを公式発表した。
今回の発表内容は、当日の記者会見会場で初めて公にされるはずの極秘情報だったが、同選手のコーチが「ツイッター」上で「クララがカナダ国旗を持ってスタジアムに入場する」という意味の内容をオランダ語で「つぶやいた」ことから、瞬く間にスクープとしてカナダ全土に広まった。
同選手は、今回が五輪出場5回目となるベテランで、前回のトリノ五輪スピードスケート女子5000メートルでは金メダル、団体追い抜きで銀メダルを獲得した。世界で唯一、夏季と冬季の両五輪で複数個のメダルを獲得した選手として知られる。
「自分のスポーツ人生で最高に栄誉あること」と話すヒューズ選手。「いよいよ出番がやって来た感じ。レースの時とはまた違った緊張感もあると思うが、一生に一度きりの体験になるはずなので楽しみたい」と満面の笑みを浮かべた。
記者会見会場で同選手を見守っていたピーター・グズマンさんは「彼女が競技に集中できるように、家の中の細々したことは僕の担当。外では想像できないほどの大きなプレッシャーと闘っているはずなので、家では静かに落ち着ける空間を作ってあげたい」と、五輪選手の配偶者としての万全のサポート態勢を表明する。
同コーチはその後、「興奮のあまり、つい書いてしまったことをとても後悔している。代表チームには申し訳ないことをした」と更新した後、「しばらくツイッターからは離れることにする。GO CANADA GO!(がんばれ、カナダ!)」と最後の「つぶやき」を残している。