バンクーバーの鉱山会社「Copper Mountain Mining Corporation」(Suite 1700, 700 West Pender Street, Vancouver、TEL 604-682-2992)の銅鉱石を積んだ貨物船「MV Polaris Melody」号が9月20日、福島県いわき市の小名浜港に到着した。
バンクーバー市から約300キロ東にあるカッパーマウンテン銅鉱山は、同社の権益の25%を三菱マテリアルが保有し共同開発してきた。6月30日から銅精鉱の生産を開始し、順次、バンクーバー港へトラック輸送。18時間かけて約1万1200トンを積み込み、9月4日に日本へ向けて出航していた。
3月11日の東日本大震災により、同港湾周辺設備も大きな被害を受け、銅鉱石の受け入れ先となる「小名浜精錬所」が操業停止するなど、一時は予定通りの輸送実施が危ぶまれたが、同港岸壁(バース)が一部復旧、精錬所も9月3日からフル操業を開始して、今回の初出荷実現にこぎ着けた。
Jim O’Rourke同社社長兼CEOは「2010年4月1日にプロジェクト開始してから16カ月という短期間で初出荷にたどり着いたことはとても喜ばしい」と話す。CFOのRod Shierさんは「想像を絶する津波の被害を受けた港が、私たちの積み荷を受け入れることができる状態まで復旧したことが分かってうれしい」と語り、「今後、長年にわたって続いていく生産作業のスタート地点として、今回の初出荷の成功は私たちにとって大変重要な意味を持つ。わが社で生産し、100%三菱マテリアル社で精錬される銅精鉱が、今後の日本経済の復興につながることで、間接的にでも役に立つことになれば」と期待を寄せる。