東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県女川町の被災者の手に届くよう、リッチモンドの手芸愛好家12人が「コンフォートキルト」60枚以上を完成させ、本格的な冬の到来を前に被災地へ送った。リッチモンド市姉妹都市委員会、スティーブストン・ロータリークラブ、スティーブストン・コミュニティー・ソサエティーの協賛。
リッチモンド市で2012年春に受け入れを予定している被災地からの短期留学生のために、滞在記念品としてプレゼントしようと3月末から制作を開始した「キルトプロジェクト」だったが、「被災地のより多くの人たちのためにできることは何かないかと話し合い、メンバーがそれぞれで時間を見つけて作品を次々と完成させた結果、予想していた以上の数が集まった」と喜ぶTextile Arts Guild of Richmond(7700 Minoru Gate, Richmond)代表のCorisande Percial-Smithさん。「最高齢のメンバーで98歳の人も参加している」とも。
家族や友人、家財道具一式、今までの思い出の品全てを震災で失ってしまった被災者たちのことを考えながら、一針一針丁寧に縫い合わせた作品の数々。それぞれに制作者の名前を書いた赤いメープルリーフを付けた。「日本をイメージした折り鶴とカナダを象徴するCanada Geese(カナダガン)を組み合わせたデザインを取り入れて、遠くても私たちの心がつながっていることを表現した」(Moreen Rutherfordさん)、「被災地の子どもたちの気持ちを少しでも明るくする助けになれば」(Corisandeさん)。
日系移民が現在でも多く住む漁港の町スティーブストンでは、3月の震災直後から積極的に募金活動や復興支援イベントを開催し、これまでに13万5,000カナダドル以上を集めた。同コミュニティー・ソサエティー代表のJim Kojimaさんは「日本から伝わってくるさまざまなニュースで、せっかく世界中から集まっている募金がなかなか実際に被災者の手元に届かないという現実を聞き、とても歯がゆい思いをしていた。何か実用的なものを早く届けたい気持ちと『私たちはいつも被災地のことを考えている。(被災者の)皆さんはひとりじゃない』というメッセージを送りたい」と話し、今後も長期にわたる支援継続の思いを明らかにする。