Richmond Cultural Centre（7700 Minoru Gate, Richmond）内のスタジオ「Media Lab」で3月30日、フィルム上映とディスカッションイベントが行われた。NPO団体「Cinevolution Media Arts Society」が主催するコミュニティー・ダイアログの初企画。

　今回のテーマとして選ばれたのは、動画サイト上で8600万回以上再生され、フェイスブックやツイッターなどで話題になっている動画「KONY 2012」。約30分間のフィルム上映後、参加者たちが感想や疑問点などを話し合った。

　大学生からシニア世代まで幅広い年齢層が集まり、「自分たちが若いころには手紙を書いたり直接その場に足を運んだりして活動を起こさなければいけなかったが、今はこうして遠くの場所で起こっていることを身近なこととして知り、情報をシェアすることができてありがたい」「誰もが情報を発信できるようになって便利だが、ネット上の内容をうのみにせず、正確な内容を把握し自分できちんと判断する必要があると思う」「カナダ国内でももっと取り上げるべき多くの問題があるので、同様の方法で多くの人たちに知らせていくべき」など、活発な意見が交わされた。1時間以上にわたったディスカッションは人権問題から選挙制度にまで及んだ。

　同団体代表のYing Wangさんは「講習会というスタイルでなく、小さなスペースで膝を突き合わせるような形で進めることができたので、とても発言しやすかったと思う。今回の参加者の皆さんからのフィードバックを参考にして、今後選ぶべきテーマやイベント告知の方法などを考え、より多くの人たちに有益な内容にしていきたい」と話す。

　同スタジオは昨年3月に新しく完成したスペースで、映画・音楽制作のユース（13歳～24歳）向けプログラムなどに利用されている。