高騰する家賃を背景に老舗店の閉店、それに代わる新規店の出店、グルメ、IT、不動産状況などバラエティー豊かなトピックが10位内に入ったバンクーバー経済新聞の今年の上半期PV（ページビュー）ランキングは「世界一高いホットドッグ『Dragon Dog』、バンクーバーで提供開始－ギネス申請」が1位に輝いた。

　ランキングは今年1月1日から6月30日までに配信したヘッドラインニュースのPVを集計したもの。1位の世界一高価なホットドッグの発売記事は地元のみならず世界中から注目を集め、1月下旬の販売開始以来、500個を販売。掲載当初は申請中だったが、3月にはギネスブックに「世界一高いホットドッグ」として掲載されることとなった。オーナーのDougieluvさんは「地元の人はもちろん、観光客もバンクーバーに来たから世界一高いホットドッグを試してみたいと購入し、『Oh my gosh! So amazing!』と喜んでもらっている。使用する神戸ビーフもロブスターもフレッシュでおいしいのでもっと多くの人に試していただければ」と話す。

　上位10位のランキングは以下の通り。（カッコ内は掲載日）
1. 世界一高いホットドッグ「Dragon Dog」、バンクーバーで提供開始－ギネス申請（1/31）2. バンクーバーで「桜祭り」－桜ダンスに桜弁当、桜尽くしの1カ月始まる（4/4）3. 月間10万PV・バンクーバー在住ブロガーサイト、日系ウェブ・クリエーターの間で話題に（1/16）4. リッチモンドにとんかつ店「新宿さぼてん」－北米初上陸（1/24）5. バンクーバーで「すし」がテーマのドキュメンタリー上映－日本人女性が監督（3/6）6. バンクーバーの老舗日本食レストラン「アキ」が閉店－48年間の歴史に幕（2/16）7. 「ブックオフ」バンクーバー店、閉店へ－高騰する家賃も要因（6/5）8. バンクーバーにオーガニック・ドーナツ限定店－開店1カ月で行列のできる店に（4/6）9. バンクーバー、世界で2番目に住宅が購入しにくい都市に－1位は香港（1/25）10. イエールタウンに炙りすしレストラン「Minami」－「Miku」2号店、今夏オープンへ（2/8）
　2位はバンクーバー恒例の「桜祭り」の一環で開催された「ジャパンフェス」の紹介記事。今年で3年目となる同フェスは昨年より規模を拡大し、来場者数も1万人以上となった。今後も桜祭り同様、春恒例の「日本のお祭り」として定着することに期待が寄せられる。3位は月間10万PVを集めるバンクーバー在住のウェブクリエーター、セナさんの話題。もともとのブログファンや海外でウェブ制作やクリエーターになることに興味がある人の多さを示す結果となった。「今後も世界中のクリエーターが集まるバンクーバーで多くのクリエーティブな情報を共有していければ」（セナさん）。

　4位は多くの日系企業を誘致しているリッチモンド、アバディーンセンター内に北米で初出店したとんかつ専門店「さぼてん」、5位はすしのドキュメンタリー映画上映がランクイン。監督は日本人女性でバンクーバーではどのすしレストランでも提供し、なじみの深い「BCロール」の起源からバンクーバーのすし、すし職人事情を紹介。カナダ国内ではトロント、バンクーバーなどで上映され話題を集めた。

　6位、7位は閉店の話題。48年間続いた老舗日本食店「アキ」の閉店時には多くの人が列を成して別れを惜しんだが、数カ月後には反響に応える形で新店舗として再オープンした。7位のブックオフ閉店記事、9位のバンクーバーが世界で2番目に住宅購入が困難な都市に選ばれた記事からは高騰する家賃を要因にバンクーバーの不動産、経済状況を垣間見る結果となった。

　8位は期間限定店舗で販売するオーガニックドーナツ店、10位は6月にグランドオープニングを迎えた「炙（あぶ）り」すしレストランMinami。ローカルメディアからも多くの注目を集め、6月のオープニングパティーには500人以上が出席した。

　バンクーバーダウンタウン中心地はMTV、Searsの閉店に伴い、続々と外国資本企業の参入がささやかれおり、既にロブソンストリートに出店が決まっている「フォーエバー21」「アップル」旗艦店などのほか、2013年には「ユニクロ」「ノードストラムデパート」の出店もうわさされている。