バンクーバーの劇場「Stanley Industrial Alliance Stage」(2750 Granville St., Vancouver)で3月14日から、「2 Pianos 4 Hands」が上演されている。Marquis EntertainmentとTalking Fingersの共同制作で、主催は「Arts Club Theatre Company」。
同作品は、1996年4月のトロントでの初演以来、翌年にはオフ・ブロードウェーで6カ月にわたるロングラン、ワシントンD.C.のケネディーセンターやロンドンのウエスト・エンドのほか、日本でも公演を行い、チケット完売の人気を見せた。今回は、世界各国で行った計5000回を超える上演で、200万人以上の観客動員数を誇る同作品のオリジナルキャストによる「さよなら公演」となる。
Ted DykstraさんとRichard Greenblattさんが、自分たちの体験を基に脚本・演出を手掛けた二人芝居。 クラシックのピアニストを目指す2人の少年が、ピアノを通してさまざまな人たちと関わりながら成長していく中で、多くの挫折を味わいつつ自分の進むべき道を見いだしていくストーリー。ステージ上にはグランドピアノ2台のみを置き、代わる代わる母親や父親役、ピアノ教師役、コンテスト審査員役と器用に演じ分ける。2人が子どものころに受けたピアノのレッスンでのエピソードや自宅練習時の両親とのやりとりなど、辛口のジョークを随所に交えつつ、物語の展開とともに披露する2人の見事なピアノ演奏が観客を圧倒する。
Greenblattさんは「作品の中で出てくる(ピアノに関する)シーンは、どんな子どもたちも成長していく過程で通る道。誰が見ても、フィギュアスケートやバレエなど何かしら自分の体験したことに重ね合わせて共感することができる」と作品の魅力を語る。
「5歳からピアノを習っていたけれど、宿題やクラブ活動が忙しくなって練習が十分できなくなって12歳でやめてしまった」という観客のDaynaさん(15歳)は「嫌でたまらなかった練習のことも、今日のショーの中では面白おかしく描かれていたので、またピアノを弾きたくなった。学校の音楽の先生やピアノを習っている友達にぜひ勧めたい」と満喫した様子。
チケットは、29カナダドル~65カナダドル。公演時間は、火曜=19時30分~、水曜~土曜=20時、水曜・土曜・日曜はマチネ公演(14時~)あり。4月14日まで。