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環境運動家デビッド・鈴木さん、未来を担う若者にメッセージ-エコサミットで

エコサミット「REaDY」で特別講演を行うデビッド鈴木さん

エコサミット「REaDY」で特別講演を行うデビッド鈴木さん

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 リッチモンドの高校McMath Secondary School(4251 Garry Street, Richmond)で4月26日、環境保護を考えるイベント「REaDYサミット」が開かれ、カナダで最も有名な日系人ともいわれる環境運動家デビッド・鈴木さんが特別講演を行った。

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 「We Are The Fraser」をテーマに掲げた同イベントは今年で3回目。先住民マスクィーム族の代表が、集まった約500人の参加者たちに「手をつないでフレーザー川の流れに身を任せ、ゆっくりと体を揺らす」ように促し、自然への感謝と祈りをささげて開会を宣言した。

 鈴木さんは「今日はデビッド鈴木財団の代表としてではなく、子どもを持つ親、孫を持つ祖父の一人として皆さんに話をしに来た」とし、「自分たち人間が生きていく上で最も大切なものは空気と水。『母なる地球』にとって、植物は呼吸を担う肺であり、川は体中を循環する血液のようなもの。それらを汚染してしまうことは、自分たちの体にも悪いことをしているのと同じ」と説明。「先住民の皆さんは、動物や植物のことを『私たちの親戚』と呼んでいる。親戚に優しく接するのは当たり前のことだろう」と小さな子どもたちにも分かりやすく訴えかけた。

 「リッチモンドはフレーザー川があるおかげで、大変恵まれた環境にある。家の中にずっとこもっているのではなく、積極的に外に出て自然と触れ合う機会をより多く持つことで、自分たちを取り囲む環境について理解を深め、関心を持ち、自然を大切にする心が育つ」と、自身の父親が昔よくキャンプなどに連れて行ってくれたことを振り返る鈴木さん。

 「若い世代が環境保護のためにできることは、友達や家族など周りの人たちに自分の知識や学んだことを知らせてあげること」「どんな最新技術も使い方を間違えると環境保護には逆効果になり得るので、常に自然界とのバランスを頭に置いて開発を進める必要がある」と、会場からの質問に答えながらアドバイスを送った。小学生からの「もし動物になるとしたら何がいいか」という質問に対し、「カモメになりたい。自由に空を飛び回って、おいしい魚をたくさん食べられるから」と答えて会場の笑いを誘う場面も。

 講演の最後に鈴木さんは「環境問題に関する取り組みには、『ここで終わり』というゴールがない。自分の活動の原動力は、子どもたちや孫たちのためにより良い環境を残してあげたいという思いのみ。これからも地道に続けていくしかない」と協力を呼び掛けた。

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