イエールタウンの水辺の散歩道沿いに8月28日、本格イタリアンジェラートの店「Bella Gelateria」(1089 Marinaside Crescent, Vancouver、TEL 778-737-7890)が2号店をオープンし、同店の評判を知る市民や観光客が連日行列を作っている。
空気に触れないよう、常にふたをした状態のジェラートショーケース
同店の最高経営責任者James Coleridgeさんは、カナダ人で初めてイタリアのアイスクリーム製造機器メーカー「カルピジャーニ」社に「ジェラートのパイオニア」として表彰されたほか、2012年に伊・フィレンツェで開催された世界最大規模の「ジェラート祭り」で優勝するなど、数々の賞を獲得したことのあるジェラート職人。新婚旅行で訪れたベネチアで食べたジェラートが忘れられず、本場イタリアの料理学校で学んだ後、ボローニャの「カルピジャーニ・ジェラート大学」でさらに技術を磨き、コールハーバーエリアに1号店(1001 West Cordova Street, Vancouver)を出店してから4年。 「バンクーバーのアイス・ジェラート店ベスト10リスト」の常連となっている。
今回オープンしたイエールタウン店は、「窓から見える水辺の景色がイタリアを思い出させる」(Coleridgeさん)ロケーション。1号店と比べてかなり広い3300平方フィートの店内に80席を設ける。大理石を使用し、白と黒を基調とした「モダンでコンテンポラリーな空間を作り出した」という店内には、ジェラートを作っている様子やピザを焼く過程が見えるようにオープンキッチン形式を取り入れた。
メニューは、18種類の定番フレーバーと6種類の日替わりフレーバーのジェラート(1フレーバーカップ入り=5.50カナダドル、コーン入り=6.75カナダドル)に加えて、ピザ(10カナダドル~20カナダドル、4ドル追加でグルテンフリーオプションもあり)や、ジェラートを使ったケーキ・デザート類と充実させる。「暑い日にジェラートを食べにちょっと立ち寄るカフェというよりも、朝早くから夜遅くまで通して『イタリアの味』を楽しんでもらえる『レストラン』にしたかった」とColeridgeさん。お薦めは「ジェラティーニ」(12カナダドル~14カナダドル)で、中でもジンやバーボンなどのアルコール類とジェラートをバランスよく組み合わせた「EGT Negroni」「Black Sesame Chai」「Matcha Smash」が特に人気だという。
Coleridgeさんが作ることのできるジェラートのフレーバーは全部で500種類に上るが、「自分たちのモットーは量より質。保存料や着色料を使わないことはもちろん、季節ごとになるべく地元産の旬の食材を使い、イタリアで昔から受け継がれてきたやり方に忠実に丁寧に少量ずつ作っている。一度にたくさん作って保存するのではなく、売り切れたらまた追加してフレッシュなものを作る」と自身の信念を語る。店頭のジェラートは全て金属のふた付きショーケースに並べてあり、「ジェラートは生き物。空気に触れたり、ちょっと温度が変化したりすると、どんどん味が変わってしまう。鮮やかな色をしたアイスを見せて来店客の視覚に訴えるやり方は間違っている。ジェラートは色ではなく味が勝負」と説明する。
営業時間は8時~23時(土曜・日曜は9時~)。今後2年のうちに、ウエスト・バンクーバー地区、キツラノ地区、メーンストリート沿いにさらに3店舗オープン予定。