バンクーバー国際映画祭で10月9日・10日、映画「ここは退屈迎えに来て」が上映され、廣木隆一監督と主演の橋本愛さんが来場しレッドカーペットを歩いた。
山内マリコさんが手掛ける同名小説が原作の同映画。「何者かになりたい」と田舎から上京するも結局田舎に帰って来た「私」(橋本さん)と田舎に残った同級生たちを、キラキラしていた高校時代と青春時代のエピソードを織り交ぜて描く。登場人物たちは皆都会への憧れや、「こんなはずじゃなかった」「なりたい自分はほかにいる」などの思いを抱えて生きる。
橋本さんは、上映会に参加した観客から東京への思いを聞かれ、「東京のことが好きだし楽しみ方も見つけられている。今いる環境を充実させるようにしているので毎日楽しい」と話す。「演じた「『私』とは考え方も年齢も違い、難しい面もあったが、彼女には『すでに何者かになれていると気付き自分を肯定して』と言ってあげたい」とも。
作品では、のどかな地方都市の風景を波形に高校生たちが自転車に乗るシーンやプールではしゃぐシーンなど、一瞬にして過ぎ去る青春時代を色鮮やかに描く。廣木監督は「青春と言えば自転車で走るという感じが少し古臭いかなと恥ずかしかったが、この作品にはありかなと思った」と振り返る。橋本さんは「(自転車で走る)シーンはあまりに青春、という感じで自分でも見ていて少し恥ずかしかった」と明かす。
「初めて来たバンクーバーではビーチなども訪れた」と橋本さん。街の印象は「高層ビルがある街中のすぐ近くに山や海があり良い所だなと感じた」と笑顔を見せていた。