バンクーバーで毎夏行われている日系人のお祭り「パウエル祭」の実行委員会が7月4日、今年は会場を例年のオッペンハイマー公園から周辺各所に移して行うことを発表した。公園に居住するホームレスの人たちを強制移住させることはできないとの配慮から。
日系カナダ人の文化とアートを祝う目的で開催される同祭は今年で43回目。毎年会場としてきたオッペンハイマー公園周辺は第2次大戦中に日系人が強制収容されるまで日系人街として栄えていたエリアで、公園には野球チーム「バンクーバー朝日軍」がホームグラウンドとした「パウエル球場」もあった。
現在、公園内には多くのホームレスがテントを張り居住している。祭り開催を1月後に控え、同祭協会長のエドワード・タカヤナギさんは「強制移住を経験したコミュニティーとして、ここに住む弱者である人々を立ち退かせるわけにはいかない」と公園での実施を取りやめた理由を話す。「公園に居住する人々を尊重しながらも、来場者に豊かな文化的経験をしてもらえるようプログラムをデザインした」と会場変更後の内容にも自信を見せ、来場を呼び掛ける。
主な屋台やブースはAlexander St. とJackson Ave.に設置し、ライブ演奏などを行うステージも両道路に特設。「バンクーバー日本語学校」「バンクーバー仏教会」なども会場とする。開催日は8月3日・4日。