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バンクーバーの道路沿いにオレンジシャツ215枚 先住民族寄宿学校跡での遺体発見受け

UBC近くのマリンドライブ沿いに並べられたオレンジシャツ

UBC近くのマリンドライブ沿いに並べられたオレンジシャツ

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 バンクーバーのマリンドライブ沿いUBC近くに現在、215枚のオレンジ色のシャツが並べられている。ブリティッシュ・コロンビア州カムループスの先住民族寄宿学校の跡地で遺体が発見された215人の子どもたちへの追悼の意で。

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 シャツを並べたのはバンクーバーを含むブリティッシュ・コロンビア州の先住民族マスキーム族の人々。道路沿いを数キロメートルにわたり続く215枚のオレンジシャツの列は、あまりにも多くの子どもたちが犠牲になったという事実を再認識させる。

 カナダでは先住民族の人々に対する同化政策の元、1880年代から1990年代まで各地で主にカトリック教会が寄宿学校を運営。15万人以上の子どもたちが家族と離れての生活を強制された。寄宿学校在籍中に行方がわからなくなった子どもについては記録もなく不明とされてきたが、先住民族の人々は校内での死亡事例も含めて調査を求めていた。今後、全国にある寄宿学校跡地での調査が進めば更なる遺体が見つかる可能性もあるという。

 カナダ全土では27日の遺体発見のニュースは重く受け止められており、多くの学校や公共施設で追悼の集会や寄宿学校に関する教育活動が行われた。小学生の子どもとオレンジ色のシャツを見ていた女性は「小さな子どもたちのことを思うと胸が痛む。最後の学校が閉まったのが90年代と聞きあまりにも最近なので驚いた。全ての国民がきちんと事実を知り、向き合う必要がある問題だと思う」と話した。

 オレンジ色のシャツを着ることはカナダで寄宿学校に対しての意識を高めるための方法とされており、「オレンジシャツ・デー」は、1973年に寄宿学校に入学したフィリス・ウェブスタッドさんが着ていたお気に入りのシャツを記念して名付けられた。

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