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ロブソン通りの日本食ファストフード店が20周年 日常食を海外で「より身近に」

商品を手に取ってすぐに会計に

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 バンクーバーダウンタウン、目抜き通りに店を構える「EbiTen」(388 Robson St. Vancouver Tel 604-689-9938)が5月、20周年を迎える。

店内の「グラブ&ゴー」スペース

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 同店では天丼などの丼(11.95カナダドル~)、カレー、焼きそばなど日本のファストフードを提供。店内飲食スペースも設けるが、ローカルの住民が気軽に日本食をテークアウトできる店として定着している。

 オープン以来、時代や住民が求める日本食のニーズを「敏感に察知」(店主の遠竹啓太郎さん)し、現在では日本のカレー店も増えているが、いち早くカレーやカツカレーなどもメニューに加えてきた。

 20年前は「日本食といえば、『寿司』『天ぷら』『照り焼き』の知名度しかなく、日本で日常的に食される食事が浸透していなかった」と遠竹さん。「多国籍の人が集まるバンクーバーという『地の利』はきっとある、他国に比べて別の食文化を受け入れる寛容性がある、時期を見ながらどんどんローカルの人にも喜んでもらえる日本の日常食を提供しようと努めてきた」と20年を振り返る。

 今月には新たに「グラブ&ゴー」スペース(既に調理され、包装された商品をすぐに手に取れる場所)も充実させた。「グラブ&ゴー」スペースにはバンクーバーの大型スーパー以外ではあまり見ないホットウオーマーラックも設置した。「おにぎり」「から揚げ」、スイーツなど、冷たい商品も温かい商品もすぐに手に取れるようにと、「日本では当たり前となっているサービスを客目線で提供することにこだわる」(遠竹さん)という。

 今後の商品展開や運営について、遠竹さんは「バンクーバーはヘルシー志向の人が多く、グルテンフリーの商品やメニューがスーパーや飲食店にあふれている。そこで改めて日本の『白米』が注目されている。昔はカリフォルニア産の日本米しか手に入らなかったが、現在は日本で精製された米を仕入れることができている。結果的にヘルシーだと今、見直されている日本米を使う『日常食』をよりおいしく提供したい」と意気込む。「20年前と比べると丼も約2倍の価格となった。ただ、物価も上がり、最低時給も上がる中、『安いが正義』ではないと思っている。カナダから見ると、日本の飲食店の安さには疑問を呈すところはある。カナダではそういう物価上昇などもみながら客にとって求めやすい価格設定に努めたい」とも。

 営業時間は9時半~20時。土曜=11時~20時、日曜=11時~17時。

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