バンクーバーで「源氏物語」千年紀コンサート-尺八、琴と朗読のコラボ

誕生千年を迎えた「源氏物語」の世界を、尺八と琴の音楽にのせて紹介するコンサートが開かれた。

誕生千年を迎えた「源氏物語」の世界を、尺八と琴の音楽にのせて紹介するコンサートが開かれた。

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 ナショナル日系ヘリテージセンター(6688 Southoaks Crescent, Burnaby、TEL 604-777-7000)で10月25日、源氏物語誕生から千年を記念したコンサート「Enchantment of Genji:
Music Inspired by Poems from The Tale of Genji(源氏物語に魅了された音楽)」が開かれた。

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 正面入り口ホールに設営したステージには赤い毛せんが敷かれ、和服姿のアルスビン・竹川・ラモスさん(尺八)と佐伯里美さん(琴)がオリジナル曲を含めた5曲を披露。曲の演奏前には、それぞれの曲のイメージとなった源氏物語に登場する短歌の紹介と解説を、サイモン・フレーザー大学名誉教授のJan WallsさんとCanadian Society for Asian ArtのディレクターMaiko Behrさんが、英語と日本語で行った。

 夕顔の君や明石の君と源氏のやりとり、浮舟の悲劇など、恋愛、季節感、孤独感を主題に詠まれた歌の解釈とその歌の世界をイメージした琴・尺八の演奏を、地元客ら約50人が約1時間半にわたって楽しんだ。

 来場客の1人は「今までに尺八だけとか琴だけのソロ演奏は聴いたことがあったが、2つの楽器が一緒に演奏するのを耳にしたのは初めて。お互いの音の相性がぴったりで、とても美しかった」と話した。「曲の演奏前に短歌の説明があったので、目を閉じて聞いているとその歌が詠まれた情景を思い浮かべることができて良かった」とも。

 コンサートを企画したCanadian Society for Asian ArtのディレクターMaiko Behrさんは「誕生から千年という記念すべき年に、世界に誇るべき作品をカナダで紹介することができてうれしい」と話し、「劇場ではなく、オープンスペースで今回のコンサートを開くことができたので、イベントのことを知らずに通りかかった人が立ち止まって耳を傾けてくれたり、小さな子どもたちが一瞬でも尺八や琴という日本の『音』に興味を持って近くまで来たりしてくれたりした」とイベントの成功を喜んだ。「日本文化に関する次回のイベントは来年になってしまうが、より多くの人、特に日本の若い世代の人たちにも興味を持って参加してもらい、自分の文化的ルーツを見つけ出してもらいたい」と呼びかける。

 記念茶会、国際フォーラムなど、源氏物語千年紀の関連イベントは、日本でも京都などを中心に各地で開催されている。

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