バンクーバー郊外を拠点にカウチンファッションラインを展開する「Granted Clothing」(#111- 2931 Olafsen Avenue, Richmond、TEL 604-207-9392)が、これまでの伝統的なパターンにとらわれない斬新なデザインで注目を集め、「Georgia Straight」「Vitamin V」など地元メディアでも取り上げられて話題になっている。
同ブランドは、1978年創業のニット製品製造・販売会社「Flyer Hooks」が立ち上げた新しいハンドメードのカウチンブランドで、日系カナダ人Minoru Brian Hiranoさんが専属デザイナーを務める。
「メープルリーフや鹿といったカナダのこれまでの典型的なパターンとは全く違うデザインを取り入れてみた」(Minoruさん)という製品は、ヤシの木やラクダ、フラミンゴなど南国を思わせるデザインの「Cairo To Kokomo Collection」、世界各地の先住民アートをヒントに作り出した「Bunka Knits Collection」など、今までのカウチンデザインにはなかった珍しい絵柄の製品を取りそろえる。
製品はすべてニュージーランドから取り寄せた高級100%ウールを使い、約30人のスタッフがそれぞれ手編みで仕上げる。Minoruさんは「器械で大量生産して在庫を置いているのではなく、注文を受けてから作り始めるので、複雑なデザインや大きなサイズの製品は4週間以上かかる場合もある」と話す。
「昔からの重くてどっしりしたデザインとは対照的な、体にフィットするような細身で丈が長めのデザインが人気。Possum(フクロネズミ)の毛をミックスすることで、軽くて柔らかな肌触りを作り出した毛糸を使った『Possum Blend Hoodie』(314カナダドル)は、うち独自のアイテム」(Minoruさん)。この冬人気のファーブーツに合わせて身に着けられる「Leg Warmers/Boot Covers」(67カナダドル)や、モンゴルのチンギスハンをイメージした帽子「The Ghengis」(39.50カナダドル)も注文が多いという。
9月下旬に開設したネットショップも順調で、日本からの注文も寄せられている。10月末にはドクロのデザインを施した犬用セーターも完成し、バンクーバーで人気の犬専用ブティックとの提携の話も持ち上がっているという。
「バンクーバー発の『本物』を届けるため、『Made in Canada』が大切なコンセプト。ジッパーの部分に取り付けた木製のラベルはビクトリア島の木で作っている」とブランドへのこだわりを語るMinoruさん。「カナダ土産としての商品だけでなく、カナダらしさを盛り込んだおしゃれなファッションを提供していきたい。今後も月に何点かずつ新しいデザインを作っていくつもり。日本の人にも必ず気に入ってもらえると思う」と自信を見せる。
同ブランドの製品は、ウィスラーの「Pure Australia」(28/4314 Main Street, Whistler)「Amos & Andes」(2-4321 Village Gate Blvd., Whistler)で取り扱うほか、同社サイトからも注文できる。