バンクーバー在住のファッションデザイナー文江・ヴォン・デーンさんが手掛けるファッションブランド「Fumie」が、アンティーク着物のシルク布地を使用した洋服で話題を呼んでいる。
日本のテレビ局でスタイリストをしていた文江さんが洋服のデザインを始めたのは約10年前。「他と違うものを作りたかった。母が着物コレクターだったため、昔から着物に触れる機会が多かった」こともあり、着物のシルク布地を使用した洋服のデザインを始めたという。
「布地を見て、その布地を生かしたデザインをそこから考える」ため、「Fumie」の洋服はすべて手作業でのみ生み出される一点物。キャミソールやワンピース、ストールなどのほか、Tシャツなどのメンズも手掛ける。余った布地はポストカードサイズの額に入れて販売するなど、布地を最大限に活用する。「やせて見えるシルエット」もこだわりの一つだという。
「一つひとつ愛着を持ってデザイン・制作した洋服なので、直接買い手と顔を合わせて販売したい」と、現在は不定期に開催しているサロンセールでのみで販売している。9月27日にキツラノで開かれたサロンセールでは、約160点の洋服の販売と、着物や布地、染色を紹介するスピーチを行った。参加者たちは興味深そうに布地の手触りを確かめるなどしながら、スピーチに聞き入っていた。
「『Fumie』の洋服を通してアンティーク着物のシルク布地を知ってもらいたい」というコンセプトで活動を続ける文江さん。「薄くて弱い印象の強いシルクだが、着物に使用されているシルクは強く、見た目の美しさ以外にも魅力がある。知れば知るほど、どんどん好きになっていく」とも。「日本人としてのプライドをもって、自宅での作業に協力してくれるボランティア」も現在募集しているという。
11月1日にもサロンセールを予定している。人数に限りがあるため問い合わせは文江さん(TEL 604-738-9682)まで。